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最近、FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値が高いため、なかなか妊娠に至ることができないと悩んでいる方が増えているように感じられます。
次のようなことに思い当たる方もいらっしゃると思います。
実際、当院にいらしている患者さんにも「FSHの数値が高く、体外受精がうまくいかない」など悩んでいる方は多く、「鍼灸でFSHの数値を改善できないでしょうか?」といった相談を多く受けます。
「どうすればFSHの数値を下げることができるのか?」 今回は高いFSHの数値を下げるために何ができて、何が効果的なのか、 漢方・鍼灸などの施術、自宅でできるツボ療法、そして運動、食事、睡眠などの生活習慣の改善を、東洋医学の見地も含めて解説したいと思います。
FSHは“卵胞刺激ホルモン”と言われるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の一つで月経後から排卵にかけて多く分泌されるホルモンです。
卵巣機能が低下していると排卵や月経に必要な女性ホルモンが十分に分泌されなくなるため、分泌を促そうとFSHがたくさん出てしまい数値が上がります。
そのため、FSHを一つの指標として、FSHの数値を下げる=卵巣機能の向上を目指していきます。
鍼灸施術では本治法という生命力を強化する施術がとても大切になります。
特に五臓六腑の「腎」と「心」のバランスをよく診ることが重要です。
西洋医学的に言うと「腎」は卵巣の働き「心」はホルモンを放出する脳下垂体などの脳の働きと言えます。
単純化すると身体の上下のバランスを整えるということになります。
場合によっては冷えのぼせのような状態になっていますので、下はしっかり補い、上は取り去るような手技で鍼灸をすると功を奏することがあるのです。
そのために衝脉という奇経の流れを中心に施術をおこない、任脉、帯脉、陰蹻脉、足厥陰脉といった、奇経も合わせて施術を組み立てます。
さらに標治法(対処療法)として、瘀血(おけつ:血の流れが滞った状態)を取り除く施術をしていきます。
瘀血はお灸や刺絡といった施術方法を使うと効果的に改善することができます。
漢方薬では、活血剤や駆瘀血剤を使って骨盤内の血流を良くします。
FSHを下げるために必要な漢方薬としては、
があります。
こういった漢方薬を鍼灸と併用して服用することで、身体の中からも血のめぐりを良くして卵巣にしっかり血(栄養素)を送ります。
こうすることで、骨盤内の深いところの血流が良くなり、しっかり血(栄養分)が卵巣に届き、卵巣の働きが改善されていきます。
このような施術をおこなうと、個人差はありますが2~3か月でお腹の堅さが取れてきます。
そして、ツヤが出てふっくらとし、全体にバランスがとれ、ふかしたての饅頭のようになります。
これが骨盤の深いところの血流が良くなった状態です。
骨盤の深いところの血流が良くなれば、卵巣にたくさんの栄養が届きやすくなり、卵巣の疲れをとり機能を回復してくれます。
そうすることで、FSHをたくさん放出しなくても、卵巣が働いてくれるようになりますし、卵子の質も改善されるのです。
身体のアンチエイジングをおこなうためには睡眠や運動などの“生活習慣”もとても大切です。
睡眠中に分泌が促される“メラトニン”や運動することで活性化させる”ミトコンドリア“には老化の原因となる活性酵素を除去する”抗酸化作用“があります。
夜更かしなどによる睡眠不足や運動不足は“卵巣機能の老化が進行”し、FSHの数値が上がる原因になってしまいます。
またミトコンドリアは”卵子の成熟、受精、胚発育、着床“などに関与するため、卵巣機能ととても深い関係にあります。
ミトコンドリアは年齢とともに機能が低下していくため数が減少し、新陳代謝が低下すると卵巣機能の老化も進行します。
そのため食事だけでなく、睡眠や運動などの生活習慣を改善することもFSHの数値を下げるためには必要です。
ミトコンドリアについては詳しく記載したものがございますのでそちらをご覧ください。
→ミトコンドリアを活性化して、妊活に大切な卵子の質を改善する方法
東洋医学でFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値が上がる原因として考えられているのは ・腎の働きが失調し、生殖機能が低下する“腎虚”タイプ ・過度なストレスなどにより自律神経が乱れている“肝気鬱結”タイプ の体質傾向がある方に多いと考えられています。
そのため腎虚傾向の方は”腎機能を補う食べ物“を肝気鬱結傾向の方は”全身の気や血を巡らせる食べ物”を積極的に摂取することでFSHの数値を下げる効果が期待できます。
詳しい体質別の食べ物などは以下の記事をご覧ください。
→卵巣機能を高めFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる食べ物
また、ストレスがFSHに影響することが分かっています。
東洋医学では、「肝」に何らかの変動があると診ます。
また、「心」や「腎」にも影響してきますので、不安感や動悸、眠れないといった症状が出てきた場合は注意が必要です。
お腹を診ますと、季肋部からお腹の左側が面をなしてパンパンに張っています。
こういったお腹が強いストレスを感じている証拠です。
鍼灸ではこの「肝」「心」「腎」の変動を良く診て施術します。
また、足厥陰脉もしくは陽維脉の鍼灸施術でスッとお腹が緩んできますので、ここをしっかり施術していきます。
漢方薬では、「抑肝散」などの「肝」を鎮めるものを中心に処方を組み立てることで改善されます。
このようにして、東洋医学では、FSHの数値を下げることができます。
FSHの数値が高く採卵で良い結果がでないという方は、高FSHを下げる施術方法があります。
まだ諦めずに当院にご相談ください。
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