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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因を東洋医学で徹底解説!

不妊の原因はさまざまですが最近増えてるのが「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」です。

一般的にPCOSは20代~30代の女性に多くみられ、当院にいらしている患者様にもPCOSでなかなか妊娠に至ることができないと相談を受けることがあります。

そこで今回はPCOSを東洋医学的に原因などを徹底解説していきたいと思います。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは卵胞の成長が途中で止まってしまい、卵巣内に成熟しきれなかった小さな卵胞が溜まることをいいます。

一般的には卵胞の成長が途中で止まってしまうことからゴナドトロピンの分泌異常や男性ホルモン過多が原因だといわれています。

血液検査により診断させることもありますが超音波検査による「ネックレスサイン」が最も特徴的な所見です。

自覚症状としては「月経不順(月経周期35日以上)などがよくみられ、インスリン抵抗性(血糖値を下げるインスリンの感受性が悪くなるにより、血中の男性ホルモン(アンドロゲン)が増えることから

  • にきびが頻繁にできる
  • 毛深くなる
  • 肥満傾向(日本人は細身の方が多い)​
  • 高血糖

などの症状がみられることもあります。

東洋医学による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因

東洋医学でも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因は様々ですが、特に多いと考えられているのは

  1. 水滞(痰湿)
  2. 瘀血

の2つといわれています。

体内に余分な水分が溜まる「水滞」

水滞(痰湿)とは全身の水分代謝が悪くなり、体内に余分な水分や老廃物が溜まってしまう状態をいいます。

水滞になる主な原因として考えられるのは

  • 胃腸が弱い
  • 水分の摂り過ぎ(特に冷たいもの)
  • 甘いものの摂り過ぎ

などによるものが多いと考えられています。

消化機能(脾胃)と生殖機能(腎)は密接な関係に

東洋医学では消化機能の脾胃と生殖機能の腎は密接な関係があり、お互いの機能が暴走しないよう抑制し合う関係(相剋関係)にあたります。

東洋医学の古典には「甘味は消化機能を高める」といわれていますが、過度に甘味を摂り消化機能が高まり過ぎると生殖機能を弱らせてしまうことがあります。

東洋医学の腎は排尿だけでなく、身体の水分量を調節する働きがあり、発育・発達や生殖機能(子宮や卵巣)などとも密接な関係があります。

そのため腎機能が低下すると卵胞の発育・発達などに影響を及ぼし「排卵障害」につながると考えられています。

消化機能の脾胃は「湿気」に弱い!

消化機能を主る脾胃は冷えや湿気にとても弱い臓腑です。

口から取り入れた飲食物をエネルギーや血液に変える働きがありますが、もともと胃腸が弱かったり、水分の摂り過ぎなどにより脾胃が弱るとうまく消化・吸収がされません。

エネルギーや血液不足になると必然的に水分代謝も悪くなり、水滞を起こすことがあります。

水滞が起こると全身の血流も悪くなるため、うまく循環できなくなった血液が卵巣周囲に溜まると排卵障害につながると考えられています。

全身の血流が悪くなる「瘀血」

瘀血とは全身の血流が悪くなり、古くなった血液が体内に溜まることをいいます。

瘀血は主に

  • 冷え
  • ストレス
  • 偏った食生活(特に甘いものや脂っこいもの)

などが原因と考えられており、PCOSだけでなく子宮内膜症や筋腫などの婦人科疾患も瘀血によるものだと考えられています。

東洋医学では私たちの身体は「気血水」の3つの要素で構成されていると考えられており、これらがバランスを崩すと様々な症状があらわれます。

エネルギー循環と血流は密接な関係にある

東洋医学では私たちの身体は「気血水」の3つの要素で構成されていると考えられており、これらがバランスを崩すと様々な症状があらわれます。

なかでも「気(生命エネルギー)と血」はとても密接な関係にあり、東洋医学では気がまんべんなく全身を循環すると血液も循環するという概念があります。

そのためストレスなどにより自律神経が乱れ、気の巡りが滞ると全身の血流も悪くなり、瘀血につながると考えられています。

偏った食生活は血液がドロドロになる原因に

東洋医学では口から取り入れた飲食物が栄養や血液に変化し、全身を循環するという概念があります。

そのため

  • 甘いお菓子やジュース
  • 脂っこいもの(お肉の脂身なども)
  • 添加物の多いもの(コンビニ食など)

ばかり摂っていると血液がドロドロになり、瘀血の原因につながります。

子宮や卵巣周囲の血流が悪くなると卵胞に十分な血液や栄養が行き届かなくなるため、排卵障害などの原因になります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を改善するには

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を改善するにはまず「生活習慣」の見直しがとても重要です。

特に意識していただきたいのは

  1. 糖質の摂り過ぎには注意する
  2. 規則正しい生活習慣を意識する
  3. 適度に運動をする

などの養生がPCOSを改善する近道になります。

それぞれの養生法については詳しい内容を記載したコラムがございますので、ぜひご参考ください。

まとめ

今回は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因を東洋医学的に解説させていただきましたが、全ての方がご紹介した体質傾向に当てはまるわけではありません。

ですが妊娠に至るために大切なのは「心身共に健康」であることです。

そのためPCOSの方に限らず、妊活中の方は日頃の生活習慣などを見直し養生していただくことがとても重要です。

お心あたりのある方は今一度見直してみてください。

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