妊活中の方必見！血流を改善する漢方薬4選

妊娠に至るために大切なのは「血流を良くする」ことです。

血流を改善するには養生だけでなく、漢方薬を併用していただくとより効果的です。

そこで今回は血流を改善する効果が期待できる漢方薬をご紹介してきたいと思います。

血流を改善する漢方薬にも様々な種類がありますが、主に

• 補血剤
• 活血剤（駆瘀血剤）

の2種類を使用します。

「補血剤」とは不足している血液を補充し、血液循環を促す漢方薬のことをいい「活血剤（駆瘀血剤）」とは全身の血流を良くし、体内に溜まっている瘀血（血流が悪くなり古くなった血液の塊）を取り除く漢方薬のことをいいます。

そのなかでも補血・活血剤として代表的なのが

1. 婦人宝
2. 桂枝茯苓丸
3. 芎帰調血飲第一加減
4. 桃核承気湯

の４つです。

それぞれ詳しく解説していきたいと思います。

婦人宝は活血の作用もありますが「補血剤」に該当します。

婦人宝には不足した血を補い、血液循環を促進する

• 当帰（トウキ）
• 阿膠（アキョウ）
• 芍薬（シャクヤク）

が含まれており、なかでも婦人宝の特徴であるのが「阿膠」です。

阿膠とはロバの皮やじん帯などに含まれている結合組織内のコラーゲンを加熱することでできるゼラチンの塊をいいます。

当帰と阿膠が組み合わさることで

• 月経不順や月経痛
• 冷え性
• 貧血
• めまい
• 止血（不正出血など）

などの症状に効果が期待できます。

そのほかにも補助的な生薬として血の巡りを良くする「川芎（センキュウ）や茯苓（ブクリョウ）」なども含まれており、より血流改善が期待できます。

桂枝茯苓丸は「活血剤」の代表的な漢方薬です。

桂枝茯苓丸には血行を促す

• 桂皮（ケイヒ）
• 牡丹皮（ボタンピ）
• 芍薬（シャクヤク）

​や古くなった瘀血を取り除く桃仁（トウニン）が合わさることで全身の血流を良くします。

さらに桂枝茯苓丸の名前のとおり「茯苓（ブクリョウ）」が含まれているのも特徴で全身の水分代謝を改善することでより相乗効果が期待できます。

これらの生薬により桂枝茯苓丸は

• 月経異常（不順や月経痛など）
• 更年期障害（頭痛やめまい、のぼせなど）
• 婦人科疾患（子宮筋腫や内膜症、卵巣嚢腫など）
• 肩こりや頭重
• 肌荒れ

などの症状に効果が期待できます。

芎帰調血飲第一加減は補血と活血両方の効果が期待できます。

補血をしながら月経を整える代表的な漢方薬である「四物湯」にも含まれている

• 当帰（トウキ）
• 川芎（センキュウ）
• 芍薬（シャクヤク）
• 地黄（ジオウ）

をベースに血行を促進する

• 桃仁（トウニン）
• 紅花（コウカ）

が含まれています。

さらに身体のエネルギー循環をよくする生薬や胃腸を整え、身体を温める生薬なども含まれており、これらが合わさることでより血行を促進し

• 婦人科疾患（月経不順や子宮筋腫、内膜症、更年期障害など）
• 頭痛や肩こり
• 手足の冷え
• イライラ

などの症状に効果が期待できます。

桃核承気湯は活血剤として代表的な桂枝茯苓丸よりも瘀血を取り除くの作用が強い漢方薬です。

桃核承気湯の特徴としては

• 桃仁（トウニン）
• 大黄（ダイオウ）
• 芒硝（ボウショウ）

が含まれていることです。

特に大黄と芒硝には瀉下作用（身体を冷やし、お通じを下す）があり、桃仁と配合することで血行を促進し古くなり体内に溜まった瘀血をお通じとして取り除くことができます。

さらにのぼせやイライラを発散する「桂枝（ケイシ）」や緩和作用のある「甘草（カンゾウ）」が含まれていることで

• 月経異常（不順や困難症を含む）
• 月経時や産後の精神不安
• 便秘
• 腰痛
• 高血圧に伴う症状（頭痛やめまい、肩こりなど）

などの症状に効果が期待できます。

漢方薬は種類によって含まれている生薬が全く異なり、効能もさまざまです。

そのため体質や不調にあったものを服用する必要があります。

万が一、合っていない漢方薬を飲み続けると「下痢」などの副作用が出ることがあります。（特に桃核承気湯など便通改善の生薬が含まれているもの。）

漢方薬を服用する際は自己判断を避け、お近くの東洋医学の専門家に必ず相談するようにしましょう。

漢方薬も飲食物と同じように口から取り入れ、胃腸の働きにより消化吸収されることで効果を発揮します。

そのためどれだけ漢方薬を服用していても胃腸がうまく機能していなければ意味がありません。

• 食欲の乱れ
• お通じのトラブル
• 胃もたれや胸やけ
• 手足の症状（冷えやほてり、むずむずなど）
• 食後眠たくなる

などの症状がある場合、胃腸がうまく機能できていないサインかもしれません。

胃腸は子宮や卵巣に栄養や血液を送り届ける道筋でもありますので、まずは自分の身体と向き合ってみましょう。

※胃腸のトラブルを改善する方法については以下のコラムをご覧ください。

当院では東洋医学に基づいた鍼灸施術だけでなく、体質に合わせた漢方薬の処方もおこなっております。

鍼灸と漢方薬を併用することで外からと内からアプローチすることができ、より血流改善が期待できます。

さらに遠方の方には電話で詳しく身体の状態を問診し、配送にて処方もおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。

当院の不妊漢方については詳しく記載したページがございますので、以下からご覧ください。