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生理の出血量が少ない…不妊との関係性と原因について

妊娠・出産に至るためには自分の生理の出血量を知っておくことはとても重要です。

経血の量は「女性ホルモンの分泌量」と関係が深く、出血量が少ない方は不妊や流産の原因になるとも考えられています。

そこで今回は生理の出血量が少なくなってしまう原因と不妊との関係性について東洋医学的に解説していきたいと思います。

経血量と不妊の関係性について

一般的に生理の経血量は「女性ホルモンの分泌量」と深い関係があり、その中でも女性ホルモンの

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

の2つが関与しているといわれています。

エストロゲンは月経~排卵日の間に分泌が増えるホルモンで卵巣内の卵胞を成熟させ排卵や受精を準備したり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くする働きがあります。

またプロゲステロンは排卵日~月経の間に分泌されるホルモンで妊娠に備え体温を上げたり、受精卵が子宮内に着床しなかった場合は子宮内膜を剥がし、子宮内を綺麗にする働きがあります。

つまりエストロゲンの分泌量が多くなり子宮内膜を厚くした後、プロゲステロンの働きで不要になった内膜を剥がし、経血として外に出すことで生理が起こります。

ホルモンバランスが崩れ、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量が減少すると着床に必要な子宮内膜が十分に厚くならなかったり、月経時に子宮内膜が上手く剝がれず溜まっていくため経血量が減少します。

着床に必要な子宮内膜が十分につくられなくなると「着床障害」の原因になったり、生理時に子宮内膜が上手く剝がれず溜まっていくと子宮内が綺麗な状態を保てなくなるので、次の妊娠の準備が十分にできず「流産」の原因になる恐れもあります。

経血量が少なく、女性ホルモンの分泌量が不十分だと卵胞の発育が不十分だったり、着床に必要な子宮内膜が十分に作られなくなる恐れがあるため不妊や流産と深い関係があると考えられています。

東洋医学で考える生理の出血量が少ない原因

東洋医学で生理の出血量が少なくなる原因として多いのは「血虚」といわれる体質傾向によるものだと考えられています。

血虚とは身体の構成要素である気血水の「血(血液)」が不足している状態をいいます。

特に五臓の「」の機能が失調するが引き金となることが多く、東洋医学の肝には

  • 蔵血作用
  • 疎泄作用

があり、これらによって身体の構成要素である気血が全身をまんべんなく循環しています。

そのため肝の機能が失調すると全身に行き渡らせる血液を十分に蓄えることができなくなります。

人の身体は生命を維持するために肺や心臓などの大きい臓器へと優先的に血液を運ぶため、毛細血管の多い子宮や卵巣、四肢末端は後回しになるため、経血量が減ると考えられています。

肝は自律神経とも関係が深い

さらに五臓の肝は血を蓄え、循環させるだけでなく「自律神経の調節」も主ります。

自律神経とホルモンバランスは密接な関係にあるため、血虚の状態が続くと自律神経の乱れにより女性ホルモンのバランスが崩れる原因につながります。

ホルモンバランスが崩れると生理と関係の深い「エストロゲンやプロゲステロン」に影響を及ぼすため、自律神経の乱れにより生理の出血量が減ることも考えられます。

生理の出血量が少ない方におすすめの養生法

生理の出血量を少ない方は「血虚」の体質傾向を改善する必要があります。

血虚を改善するために重要なことは

  1. ストレスをため込まない
  2. 血を消耗しすぎないようにする
  3. 血を補う食べ物を積極的にとる

の3つです。

それぞれ詳しく解説していきます。

ストレスをため込まない

過度なストレスや緊張は肝の機能が失調し、自律神経が乱れる原因になります。

肝には気や血を全身に送り出すはたらきがあるため、過度なストレスが続くと気や血の巡りが滞りホルモンバランスの乱れや血流が悪くなる原因につながります。

妊活中は特にストレスを感じやすくなる方が多いため、できるだけストレスをため込まないようにしましょう。

※ストレスを解消する方法については詳しく記載したコラムがございますので、ぜひご参考ください。

不規則な生活もストレスの元

不規則な生活リズムもストレスの元になります。

例えば寝不足の日は「イライラしやすかったり、憂鬱な気分になったりする」経験はありませんか?

夜の睡眠は東洋医学で自律神経を整える時間ともいわれているため、睡眠時間が不規則だと自律神経が乱れる原因にもなります。

できるだけ休日などでも就寝・起床時間を一定にし、夜更かしなどは控えるように心がけましょう。

血を消耗しずぎないようにする

血虚の傾向がある方は血を消耗しすぎないよう気をつけていただく必要があります。

東洋医学では肝と「」は深い関係にあり、目を使い過ぎると血が消耗するため長時間にわたる電子機器の使用には十分に注意が必要です。

特に就寝前などは睡眠の質にも影響を及ぼすため、寝る「約30分前」ぐらいには電子機器の使用を控えるように心がけましょう。

汗のかきすぎにも気をつけよう!

また汗のかき過ぎにも注意が必要です。

東洋医学で汗は血の一部(汗血同源)と考えられており、汗のかき過ぎは血の消耗につながるといわれています。

適度に汗をかくことは必要ですが、血虚の傾向がある方は

  • 過度な運動
  • サウナ、ホットヨガ、よもぎ蒸し
  • 長風呂

などは控え、背中にじんわりかくぐらいまでに抑えましょう。

血を補う食べ物を積極的にとる

血虚の傾向がある方はいわゆる「貧血状態」に近いため、日頃のお食事で血(鉄分)を補う食べ物を積極的に摂っていただく必要があります。

また東洋医学で口から取り入れた飲食物は直接栄養や血液として全身を循環するという考えがあるため、胃腸の働きを高めるのも血液を増やすためには大切なことです。

そのため偏った食事や油物や甘いもの食べ過ぎは胃腸の働きが低下し、血不足の原因になるため、栄養バランスの取れた消化に良い食事を心がけましょう。

※鉄分が多く含まれている食べ物などは詳しく解説したコラムがございますので、そちらをご参考ください。

体質改善が妊娠への近道!

今回は生理の出血量が少ない原因などについてお話ししましたが、経血量が少ないからといって妊娠・出産できないわけではありません。

ですが妊娠に至るために大切なのは「心身ともに健康」であることですので、体質を改善することが妊娠への近道です。

ですがまれに体質やホルモンバランスが原因ではなく女性ホルモンの分泌異常の病気などで生理の出血量が減少してしまうケースもあります。

お心当たりのある方はまずお近くの産婦人科などに相談してみましょう。

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