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東洋医学からみた甲状腺機能低下症と不妊の関係
不妊の原因は様々ですが器質的なものとして考えられているのは”甲状腺機能低下症”によるものです。
クリニックなどの検査で「甲状腺ホルモンの数値が少し低い。」などと指摘されたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一般的に甲状腺機能低下症の原因は明らかにされておらず”ストレスや先天的なもの”ではないかと考えられていますがなぜ甲状腺ホルモンが低下し、不妊になってしまうのでしょうか?
そこで今回は東洋医学からみた甲状腺機能低下症と不妊の関係についてご紹介していきたいと思います。
甲状腺ホルモンは”血液の流れに乗って全身の細胞にはたらきかけ、新陳代謝を活発にしたり、体温調節をする”はたらきがあります。
骨や神経、精神状態にも関わり、子供の成長や発育の促進など、人間が生きていくうえで必要なホルモンです。
甲状腺機能低下症は初期症状はほとんどありません。
ですが全身の新陳代謝が低下するためまれに
などといった特徴的な症状としてみられることがあります。
この際に脳の視床下部からは”甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン”が分泌され、脳下垂体からは”甲状腺刺激ホルモン”が分泌されます。
この甲状腺刺激ホルモンには”卵胞の成長を妨げたり、妊娠を維持する黄体の働きを下げる”はたらきがあるため”卵胞が十分に成長せず、受精しても妊娠を継続することが難しい”ともいわれています。
東洋医学の腎は”生殖機能や内分泌器官”と関係が深く、一般的に甲状腺は内分泌器官に含まれています。
腎の機能が失調すると生殖機能だけでなく、甲状腺ホルモンの機能も落ちてしまうため関係があると考えられています。
さらに腎には”腎陽(温める作用)と腎陰(冷やす作用)”があり、東洋医学では”火と水の関係”と言われています。
腎陽が低下すると全身を温める作用が低下するため”冷えやむくみ、低体温”などの症状があらわれたり”全身の代謝低下”などがみられます。
そのため甲状腺機能低下症は腎機能でも”腎陽の低下”によるものが多いと考えられており、生殖機能とも関係があることから不妊にもつながるといわれています。
東洋医学の心は”意識、感情、記憶などの生命活動”を主るため、西洋医学の”脳”にあたると考えられています。
甲状腺ホルモンは”脳の視床下部や脳下垂体”から”甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンがでることで正常に機能している”ため、心の機能が失調するとホルモンにも影響を及ぼすといわれています。
また心は”陽”の代表として火の性質をもち、腎は”陰”の代表として水の性質をもっているため互いにバランスを保ち合っています。
そのため心と腎どちらかの機能が失調すると陰陽のバランスが崩れ、甲状腺機能低下症や不妊の原因にもつながると考えられています。
東洋医学の脾は口から取り入れた飲食物の”消化や吸収”と深い関係があります。
脾の機能が失調すると消化器官の働きが低下するため、腸内環境の悪化につながります。
甲状腺ホルモンの約80%は肝臓で、残りの”約20~25%は腸内”でつくられています。
腸内環境が悪いと甲状腺ホルモンの産生も悪くなり甲状腺機能低下症の原因につながることから脾も関係しているといわれています。
また脾は”湿気”に弱く、機能が低下すると身体の”水分代謝”にも影響を及ぼすことがあります。
全身の水分代謝が悪くなると東洋医学では“痰飲”と考えらており甲状腺機能低下症では“むくみや嗄声(かすれ声)”の症状がでてくる原因にもなると考えられています。
甲状腺機能低下症は”自己免疫疾患”の一つであり、甲状腺ホルモンの一部は”腸内”でつくられています。
腸は”免疫機能”とも関係が深いことがわかっており、腸内環境を整えることは健康への第一歩です。
”味噌や納豆、キムチ”などの発酵食品は腸内環境を整える効果が期待できるため日頃から積極的に摂っていただくことがおすすめです。
また”甘いもの”の摂り過ぎには十分に注意しましょう。
東洋医学で”甘み”は”脾に関係が深く、消化機能を高める味”とされていますがこ摂り過ぎると関係の深い”腎を攻撃し、機能の低下”につながります。
特に”精製された砂糖”が使われている”お菓子やジュース”などはできるだけ控えましょう。
腸内環境を整えるだけでなく”ストレスの軽減や適度な運動”も大切です。
過度なストレスは心に影響を及ぼし、甲状腺機能低下症や不妊の原因につながることがあります。
現代ではストレスをなくすことは大変難しいですが、軽減することは十分に可能です。
趣味などで自分の時間をつくったり、運動で身体を動かすこともストレスの軽減になるため適度におこなうようにしましょう。
ストレスの軽減や妊活中の運動については詳しく記載したコラムがございますのでそちらをご覧ください。
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