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東洋医学からみた甲状腺機能低下症の原因とは?

不妊の原因は様々ですが器質的なものとして考えられているのは”甲状腺機能低下症”によるものです。

一般的に甲状腺機能低下症の原因は明らかにされておらずストレスや先天的なものではないかと考えられていますがなぜ甲状腺ホルモンが低下し、不妊になってしまうのでしょうか?

そこで今回は東洋医学からみた甲状腺機能低下症の原因についてご紹介していきたいと思います。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症とはのどぼとけの下にある蝶の羽のような形をした臓器(甲状腺)から分泌される”甲状腺ホルモンの産生が何らかの原因により低下する”ことをいいます。

甲状腺ホルモンは血液の流れに乗って全身の細胞にはたらきかけ、新陳代謝を活発にしたり、体温調節をするはたらきがあります。

骨や神経、精神状態にも関わり、子供の成長や発育の促進など、人間が生きていくうえで必要なホルモンです。

甲状腺機能低下症は初期症状はほとんどありませんが、全身の新陳代謝が低下するためまれに

  • 皮膚の乾燥
  • 嗄声(かすれ声)
  • 易疲労感
  • むくみ(眼瞼浮腫や指圧してもへこまない粘液水腫が特徴的です)
  • 食欲は減っているのに体重が増える
  • 便秘
  • 月経異常
  • 脱毛(眉外側3分の1)、薄毛

などといった特徴的な症状としてみられることがあります。

甲状腺機能低下症による不妊

甲状腺ホルモンは”女性ホルモン”の分泌にも関与しています。

甲状腺ホルモンが不足すると全身の新陳代謝が悪くなり卵巣の機能が低下します。

卵巣の機能が低下することで“月経異常や排卵障害”などを起こし、不妊になると考えられています。

甲状腺ホルモンは”脳の視床下部と脳下垂体”から甲状腺に分泌するように指令を出しています。

この際に脳の視床下部からは”甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン”が分泌され、脳下垂体からは”甲状腺刺激ホルモン”が分泌されます。

この甲状腺刺激ホルモンには卵胞の成長を妨げたり、妊娠を維持する黄体の働きを下げるはたらきがあるため”卵胞が十分に成長せず、受精しても妊娠を継続することが難しい”ともいわれています。

東洋医学でみる甲状腺機能低下症

東洋医学では甲状腺機能の低下は結果であって主にストレスや腸内環境の悪化などが原因と考えられており、五臓六腑の 

などが深く関わってくることが多いです。

内分泌器官と関係の深い「腎」

東洋医学の腎は生殖機能や内分泌器官と関係が深く、妊娠に至るためには欠かせない機能です。

腎機能が失調する主な原因は

  • 加齢
  • 不規則な生活(特に睡眠不足)
  • 甘いものの摂りすぎ

などと考えられています。

腎の機能が失調すると生殖機能だけでなく、内分泌器官の一つである甲状腺の機能も落ちてしまうため関係があると考えられています。

さらに腎には身体の水分量を調節するだけでなく、身体を温める作用と冷やし、潤す作用があり、これらがバランスよく機能することで腎機能が正常に保たれています。

ですが、全身を温める作用が低下すると

  • 足の冷えやむくみ
  • 低体温

などの症状があらわれたり全身の代謝低下などがみられます。

そのため甲状腺機能低下症は腎機能でも腎の温煦(温める)作用の低下によるものが多いと考えられており、生殖機能とも関係があることから不妊にもつながるといわれています

生命活動を主る「心」

東洋医学の心は意識、感情、記憶などの生命活動を主るため、西洋医学の”脳”にあたると考えられています。

心の機能が失調する主な原因は

  • 精神的なストレス
  • 過度な出血(身体の血液が不足する)

などが多いと考えられています。

甲状腺ホルモンは脳の視床下部や脳下垂体から甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンがでることで正常に機能しているため、心の機能が失調するとホルモンにも影響を及ぼすといわれています。

また心は”陽”の代表として火の性質をもち、腎は”陰”の代表として水の性質をもっているため互いにバランスを保ち合っています。

そのため心と腎どちらかの機能が失調すると陰陽のバランスが崩れ、甲状腺機能低下症や不妊の原因にもつながると考えられています。

消化吸収と関係が深い「脾」

東洋医学の脾は口から取り入れた飲食物の”消化や吸収”をおこないます。

脾の機能が失調する主な原因は

  • 先天的な胃腸虚弱
  • 過労
  • 偏った食生活

などが考えられています、

脾の機能が失調すると消化器官の働きが低下するため、腸内環境の悪化につながります。

甲状腺ホルモンの約80%は肝臓で、残りの”約20~25%は腸内”でつくられています。

腸内環境が悪いと甲状腺ホルモンの産生も悪くなり甲状腺機能低下症の原因につながることから間接的に脾の機能も関係しているといわれています。

また脾は”湿気”に弱く、機能が低下すると身体の”水分代謝”にも影響を及ぼすことがあります。


全身の水分代謝が悪くなると東洋医学では“痰飲”と考えらており甲状腺機能低下症では“むくみや嗄声(かすれ声)”の症状がでてくる原因にもなると考えられています。

腸内環境が悪いと甲状腺ホルモンの産生も悪くなり甲状腺機能低下症の原因につながることから間接的に脾の機能も関係しているといわれています。

また脾は”湿気”に弱く、機能が低下すると身体の”水分代謝”にも影響を及ぼすことがあります。

全身の水分代謝が悪くなることを東洋医学では“痰飲”といわれており、甲状腺機能低下症では

  • むくみ
  • 嗄声(かすれ声)

などの症状がでてくる原因にもなると考えられています。

まとめ

今回は甲状腺機能低下症と不妊についてご紹介しましたが、甲状腺ホルモンの数値が低いからといって妊娠に至れないわけではありません。

妊娠に至るために一番大切なのは”心身ともに健康”であることですのでまずは生活習慣を見直し、妊娠しやすい身体づくりをしてみましょう。

甲状腺機能低下症を改善する方法については詳しく記載したコラムがございますので、ぜひあわせてご覧ください。

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