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不妊とストレスの関係性と及ぼす影響について

最近”クリニックで検査しても不妊の原因がわからない”などといった悩みを多くの患者様からお聞きします。

原因は様々ですが、東洋医学で原因のわからない不妊は”ストレス”などが大きく関係しているのではないかと考えることができます。

ストレス社会の現代ではとても難しい問題ではありますが妊娠に至るために一番大切なのは”心身ともに健康”であることです。

そこで今回は”不妊とストレスの関係性や及ぼす影響”などについてご紹介していきたいと思います。

不妊とストレスの関係性と影響について

ストレスによる不妊は女性だけでなく、男性の方も不妊になるといわれています。

男性・女性ともに脳にある視床下部には“性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)”といわれるホルモンが通常分泌しています。

このホルモンは脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの“卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)”などを出すために指令を送るホルモンです。

女性ホルモンのはたらき

視床下部からの指令により、脳下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されることで女性の場合は卵巣から“エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)”、男性の場合は精巣から“テストステロン(男性ホルモン)”が分泌されます。

視床下部はストレスの影響を受けやすく、ストレスに反応するとGnRHが分泌されにくくなり、結果的に“性ホルモンの分泌が低下”してしまいます。

よってストレスは不妊になる原因の一つと考えられています。

排卵障害や着床障害の原因になる

女性の場合はストレスにより“排卵障害や着床障害”を引き起こす可能性があるといわれています。

排卵障害の主な原因

脳下垂体から分泌されるFSHやLHは“排卵や卵胞の発育”に関与するホルモンのため、ストレスにより視床下部からの指令が滞ってしまうと排卵や卵胞の発育がうまくいかなくなり、“排卵障害”などを引き起こすことがあります。

また、卵巣から分泌されるエストロゲンには“子宮内膜を増殖する”はたらきがあり、プロゲステロンには”体温を上げ妊娠を維持する“はたらきがあります。

これらの分泌がストレスなどにより滞ってしまうと“着床障害や流産”などの原因になることがあります。

東洋医学で考えるストレスによる不妊

東洋医学では五臓(肝、心、脾、肺、腎)や気血水のどれか一つでも病んでしまうと、身体全体のバランスが崩れ様々な症状が出てくると考えられています。

ストレスは五臓の中で特に“肝”に影響すると考えられています。

肝には“気や血を全身に巡らせる”はたらきがあり、”血流を促進“します。

ストレスや過緊張の継続などにより肝の機能が低下し、全身の気や血の巡りが滞る状態を東洋医学では“肝鬱気滞”といいます。

  • 肩こり、頭痛
  • 胸脇や乳房部、下腹部痛
  • 咽喉部の違和感(梅核気)
  • 月経不順や月経痛

などの症状がみられることがあります。

また全身の血流も悪くなるため骨盤回りの血流が悪くなってしまうと “着床に十分な子宮内膜がつくられなくなったり、胎児がいる場合は酸素や栄養が十分に届かず流産する”原因になることがあります。

さらに肝は“自律神経やホルモン”などととても深い関係にあり、肝の機能が低下するとホルモンバランスが崩れてしまい不妊の原因になると考えられています。

ストレスは「肝」だけでなく「心」にも影響を及ぼす

五臓六腑の関係性とはたらき

ストレスは肝の機能だけでなく”心”にも影響を及ぼすことがあります。

一般的に東洋医学でいう心は”血液を全身に送り出し、栄養を行き渡らせる”はたらきがあると考えられています。
ですが心にはもう一つ”神志(神を蔵し、五臓六腑を統括する)”という役割があり、知覚、記憶、思考、判断などすべての”精神活動”を支配しています。

心の機能が乱れてくると

  • 動悸、息切れ
  • 不眠や多夢
  • 集中力が続かず、ぼーっとする

などの症状があらわれることがあります。


さらに東洋医学の根本となる書籍に心は”君主(最高位に値する人)の官”と記載されており、精神の中枢を担っているといわれています。

はじめにもお話ししたように妊娠に至るためには”心身共に健康”であることです。

ストレスは身体だけでなくすべてを統括する”神が宿る心”にも影響を及ぼす恐れがあるため、妊娠しやすい身体をつくるためには心のケアもとても重要になってきます。

ストレス解消には「気づき」がとても大切

ストレス社会の現代では”ストレスをなくす”ということが非常に難しいです。

ですが日常生活を工夫することで”ストレスの緩和”は十分に可能です。

一般的には”運動や趣味、睡眠”などがストレス解消法として推奨されていますが、大切なのは”自分が何にストレスを感じているか”に気づけるかです。

聖書のへブル人への手紙にはストレスを”苦い根”と表現しており、怒りや妬み、恨みなどが大人になるにつれ苦い根は深くなり刈り取れなくなる(ストレスが溜まる)ため、聖書に沿った生き方をすることで苦い根を生やさないようにするという考え方があります。

例えば小さいころにお父さんやお母さんに対して”口うるさく注意されて嫌だ!”などといった感情が生まれると自分の心に”苦い種”をまいていることになります。

この種が大人になるにつれ苦い根となり、幼少期と似た状況下におかれた際に”怒りや妬み、恨み”などの感情が生まれます。

これがいわゆる”ストレス”です。

ストレスが溜まるということは苦い根をどんどん成長させていることにつながり、負の状態から抜け出せなくなるとこれは”心の健康”と言えません。

そのため”自分は何にイライラしているのか、ストレスを感じているのか”一度考えてみてください、何かしら幼少期の出来事につながあったり、ストレスを感じる出来事に共通点があるはずです。

自分の苦い根は何か気づき、深い根を生やさないように心を保つことが一番のストレス解消です。

まとめ

ストレスがあるから必ず不妊になる、妊娠できないというわけではありません。

ですが”子どもを授かりたい”という思いも強くなりすぎるとあなたにとっての”苦い根”になっているかもしれません。

授かりたいという思いは全くダメなものではなく、それが励みになる場合もあるため必ず必要なものです。

何度もお話ししているように”心身ともに健康”であることが妊娠への近道ですので、これを機に一度自分自身を見つめなおす時間をつくってみてください。

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