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夏の妊活には冷え対策で漢方薬を取り入れよう!

今年は梅雨入りが早く、ジメジメとした暑い日が続いておりますがこれから梅雨が明けると本格的に夏がやってきます。

妊活中の方に夏本番に向け気をつけていただきたいのは「夏冷え」です。

夏場でも服装には気をつけて冷え対策をしていただくことはもちろんですが漢方薬を併用していただくとより効果が期待できます。

そこで今回は体質別に夏冷えに効果的な漢方薬をご紹介していきたいと思います。

体質別!夏冷えに効果的な漢方薬

夏冷えの原因は様々ですが多くは冷房の当たり過ぎや冷たいものの食べ過ぎ、飲みすぎと考えられています。

東洋医学の観点では

  1. 気血両虚
  2. 瘀血
  3. 水滞

などの体質傾向がある方は夏冷えに注意が必要です。

胃腸が弱く食欲が低下する「気血両虚」

夏場に食欲が低下し、体重が1~2キロ減少する方はこの胃腸が弱い「気血両虚」タイプの可能性があります。

気血両虚とは、東洋医学で「気血水」という3つの構成要素で健康が維持されていると考えられており、気血両虚とは何らかの原因で気と血が不足し気血水のバランスを崩している状態をいいます。

東洋医学では口からと入れた飲食物から気や血がつくられると考えられており、胃腸が弱っていると必要な気血が十分につくられなくなってしまいます。

気や血が不足していると栄養や血液が手足の末端まで十分に行き届かないため冷えの原因になることがあります。

さらに血が不足し、血流が悪くなると子宮内に酸素や栄養が行き届かなくなるため「月経不順や子宮内膜が薄くなる、着床率の低下する」などの原因につながることもあります。

気血両虚傾向のある方には不足した気や血を補う

  • 六君子湯
  • 補中益湯
  • 全十大補湯

などの漢方薬がおすすめです。

これらの漢方薬は胃腸の働きを高めると同時に滋養強壮して自然治癒力を高める効果が期待でき、夏冷えだけでなく食欲不振の改善にも最適です。

全身の血流が悪くなる「瘀血」

瘀血とは血の巡りが悪くなり、古くなった血や老廃物が体内に溜まっている状態をいいます。

瘀血は主に「過度なストレスや不規則な生活、偏った食生活」などが原因と考えられています。

全身の血流が悪くなると手足の末端まで血が巡らず夏でも冷えの症状がみられやすくなります。

また子宮や卵巣周囲も手足末端と同様に毛細血管が多いため、瘀血になると子宮や卵巣の機能が低下してしまう原因にもつながります。

さらに瘀血が進行し、古くなった血や老廃物が子宮や卵巣周囲に溜まると「子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫などの婦人科疾患」につながる恐れがあります。

瘀血傾向にある方は血の巡りを良くする

  • 桂枝茯苓丸
  • 芎帰調血飲第一加減
  • 桃核承気湯

などの漢方薬がおすすめです。

これらの漢方薬は全身の血の巡りを良くし、体内に溜まった瘀血を取り除く効果が期待できます。

また貧血傾向もある方は

  • 加味逍遙散
  • 婦人宝

などで不足した血を補うことで全身の血流を良くする漢方薬が当院では処方することも多いです。

全身の水分代謝が悪くなる「水滞」

水滞とは体内に余分な水分や老廃物が溜まり、水分代謝が悪くなっている状態をいいます。

水滞は主に「水分の過剰摂取や腎機能の低下、自律神経の乱れ」などが原因と考えられています。

全身の水分代謝が悪くなると余分な水分が体内に溜まってしまうため、浮腫みや冷えの原因につながります。

水分代謝悪く、身体が冷えていると子宮や卵巣も冷え、血流が悪くなる原因につながるので夏場でも水分の摂り過ぎ(1日約1ℓぐらいを目安に)には十分に注意しましょう。

水滞傾向のある方は水分代謝を良くする

  • 五苓散
  • 当帰芍薬散

など水分代謝を上げ余分な水分を取り除く漢方薬がおすすめです。

※水滞の原因が腎機能の低下によるものや自律神経の乱れによるものの場合は漢方薬が異なってくるため注意が必要です。

漢方薬を服用する際の注意点

夏冷えに漢方薬はとても効果的ですが、漢方薬に含まれている生薬は体質や症状によって異なります。

体質にあっていない漢方薬を服用し続けるとまれに症状が悪化したり、下痢などの副作用がみられることがあります。

さらに漢方薬によっては「アレルギー症状」がでる生薬は含まれていることがありますので、食物アレルギーなどをお持ちの方は十分に注意が必要です。

そのため漢方薬を服用する際は自己判断を避け、東洋医学の専門家に一度相談するようにしましょう。

まとめ

今回は夏冷えに効果的な漢方薬をご紹介しましたが、妊活中の方にとって夏だけでなく子宮や卵巣周囲の血流が悪くなるため冷えは大敵です。

そのため夏場だけでなく、日頃から冷え対策を心がけるようにしましょう。

また冷え性の改善するために一番大切なのは「冷えやすい体質傾向の改善」です。

体質傾向を改善するには漢方薬はもちろんですが、一番大切なのは食事や運動などの生活習慣ですので今一度見直してみてください。

※妊活中の生活習慣については詳しく記載したコラムがございますので、ぜひあわせてご覧ください。

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