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はじめに:「PCOS」という診断を受けたあなたへ

婦人科クリニックで「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です」と告げられた瞬間、頭が真っ白になった方も多いのではないでしょうか。

「妊娠できないの?」「一生薬を飲み続けるの?」「治るの?」——診断直後はさまざまな不安が押し寄せてきます。

インターネットで調べても情報が多すぎて、何から手をつければいいかわからない、という方も少なくありません。

このコラムは、そんなPCOS診断直後の方に向けて書きました。

大阪で20年以上、PCOSを含む不妊専門の漢方鍼灸師として1,000名以上をサポートしてきた経験から、「診断を受けたら最初に知っておくべきこと」「まず何をすべきか」「何を慌ててやってはいけないか」を、順を追って丁寧にお伝えします。

どうか焦らないでください。PCOSは適切に向き合えば、妊娠への道は十分に開かれています。

【このコラムでわかること】 ①PCOS診断後に最初に整理すべきことやってはいけない3つの行動東洋医学的な自分の体質チェック西洋医学治療と漢方鍼灸の選び方今日から始められる体づくり大阪でのサポートの受け方

診断直後にまず「落ち着く」ことが最初のステップ

PCOSと診断されると、多くの方が「すぐに何かしなければ」という焦りに駆られます。

しかしこの焦り自体が、体にとって大きなストレスとなりホルモン環境を乱す原因になります。

まず知っておいてほしいのは、PCOSは「急激に悪化する病気」ではないということです。

今夜すぐに手術が必要な状態でも、明日から薬を飲まなければならない緊急事態でもありません。

数週間かけて情報を整理し、自分に合った方針を決めていく余裕は十分にあります。

 

【診断直後によくある「焦りのパターン」と落とし穴】

よくある焦りの行動

なぜ問題なのか

その日のうちに排卵誘発剤を開始する

体質の把握なしに薬を始めると、副作用リスクや効果不安定につながる

ネットで大量に情報収集し混乱する

質の低い情報・体験談に振り回されてかえって不安が増す

サプリ・民間療法を次々と試す

効果の根拠が不明なものへの出費・体への影響が心配

周囲に相談し過ぎて情報が錯綜する

善意のアドバイスが混乱の原因になることも

「もう妊娠できない」と決めつける

PCOSは不妊の原因として最も治療しやすい部類に入る

 診断後の最初の1〜2週間は「情報を整理し、信頼できる専門家を見つける」ことに専念しましょう。

焦って動き出すより、正しい方向に一歩踏み出すほうがはるかに大切です。

最初にすべきこと:自分のPCOSのタイプを正確に把握する

PCOSといっても、その状態は人によって大きく異なります。

PCOS」というひとつの診断名にまとめられていますが、体質・体型・ホルモンの状態・生活環境はそれぞれ違います。

自分のPCOSがどのタイプかを知ることが、最適な治療選択の出発点です。

 

【PCOSの主な2タイプ:肥満型と痩せ型】

タイプ

主な特徴 / 東洋医学的体質

肥満型PCOS(インスリン抵抗性型)

BMI高め・生理不順・にきび・多毛・血糖が乱れやすい東洋医学:痰湿(たんしつ)タイプが多い

痩せ型PCOS(視床下部型)

BMI正常〜低め・過度なダイエット歴・無排卵・ストレスに敏感東洋医学:腎虚(じんきょ)・気滞(きたい)タイプが多い

どちらのタイプかによって、生活習慣の改善方向・薬の選択・漢方のアプローチがまったく異なります。

PCOS全般に効く治療」を探すのではなく「自分のタイプに合った治療」を選ぶことが回り道しないための鍵です。

 

【クリニックで確認すべき検査項目】

 

  LHFSHの比率(LH優位の場合は視床下部型の可能性)

  男性ホルモン(テストステロン・DHEAS)の数値

  インスリン・血糖値(空腹時・食後2時間)

  AMH値(卵巣予備能の目安)

  甲状腺機能(TSHFT4):PCOSと症状が似るため除外が必要

  超音波で卵巣の状態(卵胞数・卵巣容積)

 これらの検査結果を手元に揃えておくと、鍼灸院や漢方の専門家に相談する際にも非常に役立ちます。

検査結果のコピーを持参することをお勧めします。

PCOS診断後にやってはいけない3つのこと

  • 1

    急激なダイエット・過度な食事制限

「肥満型PCOSは痩せれば治る」という情報を見て、急激なダイエットに走る方がいます。

確かに適切な体重管理はPCOSに有益ですが、急激な食事制限は逆効果です。

カロリーを極端に減らすと、体はエネルギー不足を感知してホルモン分泌を抑制します。

その結果、排卵はさらに遠のき、骨密度の低下・筋肉量の減少・基礎代謝の低下など、体に深刻なダメージを与えます。

東洋医学的にも、過度な食事制限は「脾気(ひき)」を消耗し、気血の生成を妨げます。

 

【正しいアプローチ】 急激な減量より「代謝を上げる食べ方・動き方」が重要。1ヶ月に体重の35%以内の緩やかな減量を目標にしましょう。

  • 2
    根拠のないサプリや民間療法を片っ端から試す

PCOSに効くとされるサプリや民間療法はインターネット上に溢れています。

イノシトール・NAC・ビタミンD・シナモン……中には一定のエビデンスがあるものもありますが、自己判断で複数を組み合わせることには注意が必要です。

漢方薬との飲み合わせ・体質との相性・用量の問題など、専門家の監督なしに試し続けることはリスクを伴います。

また「高額なサプリを飲み続けているのに改善しない」という方を当院でも多く見てきました。

 

【正しいアプローチ】 サプリを検討する場合は、専門家(漢方鍼灸師・産婦人科医・管理栄養士)に相談した上で、体質に合ったものを選びましょう。

  • 3
    「もう妊娠できない」と諦めて治療を放棄する

PCOSの診断を受けて絶望し、妊活を諦めかけている方もいらっしゃいます。

しかし、PCOSは不妊原因の中で最も治療に反応しやすい疾患のひとつです。

適切な治療・体質改善に取り組んだ方の多くが、排卵を回復させ妊娠に至っています。

当院でも、PCOS診断後に漢方鍼灸を開始し、312ヶ月以内に自然妊娠または体外受精での妊娠を達成した方が数多くいらっしゃいます。

「PCOSだから妊娠しにくい」ではなく「PCOSという体質を丁寧に整えれば妊娠できる体に近づける」という視点に切り替えてください。

東洋医学的な自分の体質チェックリスト

鍼灸漢方のアプローチを考える上で、自分がどの体質タイプに近いかを知ることが重要です。

以下のチェックリストで、当てはまるものが多い項目を確認してみてください。

【体質チェック:どのタイプに当てはまる?】

体質タイプ

当てはまる症状・特徴

痰湿型(たんしつがた)

・体が重だるい ・むくみやすい ・白いおりものが多い ・甘いもの・脂っこいものが好き ・舌苔が白く厚い

腎虚型(じんきょがた)

・疲れやすい ・腰がだるい ・手足が冷える ・生理が来ない・少ない ・夜更かしが多い

気滞型(きたいがた)

・イライラしやすい ・胸が張る ・ため息が多い ・ストレスで症状が悪化 ・便秘と下痢を繰り返す

血瘀型(けつおがた)

・生理痛が強い ・血塊が出る ・経血が暗赤色 ・肌にシミ・くすみがある ・冷えのぼせがある

多くのPCOS患者さんは複数のタイプが重なっています。

例えば「痰湿+気滞」「腎虚+血瘀」のような複合タイプです。このチェックリストはあくまで目安です。

正確な体質診断は、専門家による問診・脈診・舌診で行います。

西洋医学的治療と漢方鍼灸:どう選び・どう組み合わせるか

PCOSの治療は「西洋医学か東洋医学か」の二択ではありません。

それぞれの得意分野を理解した上で、自分の状況に合わせて組み合わせることが最も効果的です。

 

【治療の選択肢と特徴】

治療法

得意なこと / 注意点

排卵誘発剤(クロミッドなど)

排卵を促す即効性がある体質改善なしでは効果が不安定なことも

メトホルミン(インスリン改善薬)

肥満型PCOSのインスリン抵抗性に有効消化器系の副作用が出ることがある

漢方薬

体質改善・ホルモン環境の長期的な安定化効果が出るまで3ヶ月以上かかることが多い

鍼灸

卵巣血流改善・自律神経調整・即時的な体への作用継続的な施術が必要

生活習慣改善

根本的な体質改善の基盤食事・運動・睡眠・ストレス管理が柱

 

当院では、クリニックで不妊治療を受けながら漢方鍼灸を併用している患者さんが多くいらっしゃいます。

西洋医学の治療を否定するのではなく「体を整えながら治療の効果を最大化する」というスタンスで、それぞれの専門性を活かした連携を大切にしています。

【妊活のステージ別・おすすめのアプローチ】

 

妊活のステージ

推奨アプローチ

まだ妊活を始めたばかり

まず体質診断漢方鍼灸で体づくり自然妊娠を目指す

タイミング法・人工授精中

クリニック治療+鍼灸で排卵・着床環境を整える

排卵誘発剤を使用中

漢方鍼灸で卵巣血流を補助、副作用を和らげる

体外受精を検討・実施中

採卵前〜移植後まで鍼灸でサポート、漢方で体質底上げ

長期間結果が出ていない

体質を根本から見直す漢方鍼灸で36ヶ月の集中改善

診断を受けた日から始められる5つの体づくり

大きな治療方針を決める前から、今日からすぐに始められる体づくりがあります。

これらはPCOSのタイプを問わず、すべての方に有益な基本習慣です。

11時前に就寝する

東洋医学では夜11時〜午前1時は「胆・肝」の時間帯で、気血の回復と生殖ホルモンの分泌に深く関わります。

この時間帯に深く眠れているかどうかが、ホルモンバランスの改善に直結します。

スマートフォンを就寝1時間前に置き、規則正しい睡眠リズムを作ることから始めましょう。

白砂糖・精製された炭水化物を減らす

特に肥満型PCOSの方は、血糖値の急激な上昇がインスリン過剰分泌を招き、アンドロゲン産生を促進します。

白砂糖・白米・白いパン・甘い飲み物を控え、玄米・全粒粉・野菜中心の食事に切り替えることが、PCOSの根本的な体質改善につながります。

東洋医学的にも、甘いもの・冷たいもの・生ものの過剰摂取は「脾」を弱め、痰湿を生み出す原因となります。

下腹部を温める

毎日の入浴(シャワーではなく湯船)・腹巻き・カイロを使った下腹部の保温は、子宮・卵巣への血流改善に直接効果があります。

3840℃のぬるめのお湯に1520分浸かることで、骨盤内の血流が改善し、卵巣環境が整いやすくなります。

適度な有酸素運動を習慣にする

34回・30分程度のウォーキングや軽いジョギングは、インスリン感受性の改善・代謝向上・ストレス発散に効果的です。

激しすぎる運動はかえってホルモンバランスを乱すことがあるため、「少し汗ばむ程度」の強度が適切です。

基礎体温をつけ始める

基礎体温グラフをつけることは、自分の排卵状態・ホルモンバランス・体質変化を客観的に把握する最も手軽な方法です。

鍼灸院や漢方の専門家に相談する際にも、基礎体温グラフは非常に重要な情報になります。

専用の婦人体温計とアプリを活用して、今日から記録を始めましょう。

まとめ:PCOS診断後のロードマップ

PCOSと診断されたら、以下のステップで落ち着いて進めていきましょう。

ステップ

内容・目安時期

Step 1:情報整理(診断後12週間)

クリニックの検査結果を整理。自分のPCOSタイプを把握する

Step 2:専門家への相談(1ヶ月以内)

信頼できる不妊専門の漢方鍼灸院・クリニックを受診

Step 3:体質診断と方針決定(1ヶ月目)

問診・脈診・舌診で体質を把握。治療方針・漢方処方を決める

Step 4:基礎の体づくり(13ヶ月)

睡眠・食事・運動・体温管理の習慣化+鍼灸漢方の開始

Step 5:経過観察・調整(36ヶ月)

基礎体温・生理周期の変化を見ながら施術・処方を調整

Step 6:妊活本格化(体質が整い次第)

自然妊娠またはクリニック治療との連携を判断

 

PCOSは決して「不治の病」ではありません。

正しい知識と継続的な取り組みで、多くの方が排卵を回復し妊娠を達成しています。

診断を受けた今日が、新しい体づくりのスタートラインです。

大阪で20年間、PCOSの患者さんに向き合ってきた漢方鍼灸師として、あなたの妊活を全力でサポートします。

 

「PCOSと診断されたばかりで、何から始めればいいかわからない」そんな方のために、相談を承っています。

大阪で20年・延べ1,000名以上の妊活をサポートしてきた漢方鍼灸師が、検査結果を拝見しながらあなたの体質タイプ・最適なアプローチをわかりやすくお伝えします。

【こんな方はぜひご相談ください】

  PCOSと診断されたばかりで不安・何から始めるかわからない方

  排卵誘発剤を勧められたが、まず体質改善を試したい方

  大阪の不妊専門クリニックと並行して漢方鍼灸を受けたい方

  自分のPCOSのタイプ・体質を東洋医学的に診てもらいたい方

  PCOS歴が長く、これまでの治療で結果が出ていない方

監修・執筆者

不妊専門 漢方鍼灸師

三ツ川レディース漢方鍼灸院

院長 三ツ川 友一郎

国家資格 鍼灸師、登録販売士、

妊活サポート実績多数

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