月経血に塊が混じっている人要注意！不妊の原因になっているかも⁉

妊活において”自分の月経血の状態を把握しておく”ことはとても大切です。

月経血の状態は個人差があり、月経周期やホルモンバランスなどでも異なりますが場合によっては”自分の体質傾向”を知ることができます。

東洋医学で“血（体内の血液）は飲食物から変化し、全身に栄養を行きわたらせると考えられているため、女性の場合は身体の状態が月経血に反映される”ことがあります。

特に“レバー状の塊が月経開始日から数日間混じることがある”方は妊娠しにくい体質になっているサインかもしれないため、早めの対策が必要です。

まずそもそもなぜ月経血に塊が混じることがあるのでしょうか？

そこで今回は月経血にレバー状の塊が混じる原因と改善方法について東洋医学の観点から解説していきたいと思います。

東洋医学で月経血に塊が混じる原因は”瘀血”によるものだと考えられています。

瘀血とは何らかの原因により”全身の血流が悪くなることで古い血液が体内に溜まる”ことをいいます。

瘀血になる原因は様々ですが、特に多いと考えられているのは

• 偏った食生活
• 貧血

の２つです。

先ほど少しお話ししたように血は”飲食物から変化し、栄養を全身に行きわたらせる“働きがあるため、偏った食生活を続けると血液がドロドロになり瘀血の原因になることがあります。

特に”甘いものや油もの、食品添加物“の摂り過ぎには注意が必要です。

血液がドロドロになると全身の血流が悪くなるだけでなく、古くなった血液が体内に溜まりやすくなってしまいます。

子宮周囲に古い血液が溜まると月経血に塊が混じったり、場合によっては”子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患”につながるため不妊の原因にもなると考えられています。

瘀血でも女性に多いのは”血虚“によるものです。

血虚とは身体構成要素といわれている”気血水の血が足りていない状態”をいいます。

健康な人の血流と川の流れに例えると、血虚タイプの人は”川は流れているのに支流の隅々まで（四肢末端に）血球を運ぶボートが少ない”のです。

そのため手足の冷えや顔面蒼白、立ちくらみ、動悸、眠りが浅いなどの“貧血症状”があらわれます。

四肢末端までうまく血が巡らないと全身の血流は悪くなるので瘀血になり、月経血にレバー状の塊が混じることがあります。

さらに月経血にレバー状の塊が混じるだけでなく、血虚は子宮周囲にも血が届きにくくなるため”月経不順や月経血量の減少“などの原因になることもあります。

月経血にレバー状の塊が混じる瘀血傾向を改善するためには”生活習慣の見直し”が大切です。

先ほどご紹介したように”甘いものや油もの、食品添加物“などの摂り過ぎは瘀血の原因になるのでできるだけ控え、バランスの良い食事を心がけましょう。

妊活中の食生活については以下のコラムをご参考ください。

• 妊活中に我慢せず糖質を制限する方法とは？
• 妊活中の方必見！卵子の質が上がる食べ物3選
• 卵子の質が下がる⁉妊活中に避けるべき食べ物とは

また血虚傾向のある方はバランスの良い食事とともに”鉄分”を多く含むものを積極的に摂取しましょう。

鉄分を多く含む食品に詳しく記載したものがございますので以下のコラムをご覧ください。

• 不妊と貧血の関係性や「鉄分」の摂取量、効果的な食べ物

さらに瘀血を改善するためには食生活だけでなく”適度な運動”で血流を改善することも大切です。

妊活中の運動については以下のコラムをご参考ください。

• 妊活中にするべき！血流を改善するおすすめの運動

瘀血を改善するためには生活習慣の改善とともに漢方薬を併用していただくとより効果的です。

月経血にレバー状の塊が混じる場合は”血のめぐりを良くし瘀血を取り除く”漢方薬を主に使用します。

代表的なものは

• 桂枝茯苓丸
• 芎帰調血飲第一加減
• 桃核承気湯

などの漢方薬が血のめぐりを良くする作用が強いためよく使用されます。

また貧血症状などがみられる血虚傾向がある方は”不足している血を補う”漢方薬を使用します。

血を補う代表的な漢方薬は

• 当帰芍薬散
• 婦人宝
• 加味逍遙散

などがあり”血を補うことで巡りを良くし、瘀血の改善”を目的に使用しています。

ですが、今回ご紹介したのはあくまで”瘀血傾向の方に効果的な漢方薬”であり、本来漢方薬は体質に合ったものを服用する必要があります。

万が一体質に合っていない漢方薬を服用し続けると症状が悪化する恐れがあるため自己判断は避け、服用の際はお近くの東洋医学の専門家にご相談ください。

今回は月経血にレバー状の塊が混じる原因や対処法などをご紹介しましたが、決して月経血に塊が混じっていると妊娠できないわけではありません。

妊娠に至るためには”心身共に健康“であることがとても大切ですので、ご紹介した養生や漢方薬で体質改善していただくことで妊娠・出産は十分に可能です。

ですが、稀に”子宮筋腫や子宮内膜症“などの婦人科疾患によって月経血にレバー状の塊が混じる場合があるため、心当たりがある方はまず婦人科や産科に相談してみましょう。

また当院では鍼灸精術だけでなく、体質に合った漢方薬の処方もおこなっておりますのでぜひ一度ご相談ください。