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頭を使いすぎると子宮に血が届かない?東洋医学が教える妊活と「血」の関係

〜デスクワーク・考えすぎ・スマホが子宮から血を奪う。その理由とセルフケア〜

はじめに:「考えすぎ」が妊活に影響するって本当?

 

「先生、私、仕事でずっとパソコンを使っていて、

家でもスマホを手放せなくて……

妊活に関係ありますか?」

 

三ツ川レディース漢方鍼灸院(大東市)で

こんな相談をいただくことがあります。

 

東洋医学の答えは「はい、関係あります」です。

 

現代の私たちは、

仕事でパソコン・スマホ・会議・企画

一日中「頭」を使い続けています。

 

東洋医学では

この「頭を使いすぎる状態」が、

子宮や卵巣に届くべき「血(けつ)」を消耗させ、

妊活に影響するという考え方があります。

 

三ツ川レディース漢方鍼灸院(大東市)では

20年以上・延べ3,000名以上の妊活をサポートしてきました。

 

このコラムでは「頭を使いすぎると子宮に血が届かなくなる」

という東洋医学的な視点をわかりやすくお伝えします。

東洋医学の「血(けつ)」とは?

東洋医学の「血(けつ)」は、

西洋医学の「血液」とほぼ重なりますが、

少し広い概念です。

 

単なる赤い液体ではなく

全身に栄養と潤いを届け

精神を養い

臓腑を動かす根本的な物質

として捉えられています。

 

東洋医学の「血」の働き

わかりやすく言うと

全身に栄養を届ける

筋肉・皮膚・内臓・脳・子宮・卵巣すべてに栄養と酸素を運ぶ

精神・思考活動を支える

頭の働き(考える・集中する・記憶する)にも「血」が消費される

子宮内膜を育てる

子宮内膜が厚くなるのも「血」が十分に届くから。血が少ないと内膜が薄くなる

卵子を育てる

卵胞が発育し卵子が成熟するのに「血」の供給が欠かせない

感情を安定させる

血が充実していると気持ちが落ち着く。不足すると不安・イライラしやすくなる

 

つまり「血」は

体の中の有限なリソースです。

 

どこかで大量に使われると、

他の場所に届く量が減る。

これが東洋医学の基本的な考え方です。

「頭を使うと血が消耗する」——東洋医学的なメカニズム

東洋医学では

「心(しん)が神(しん=精神活動)を主る(つかさどる)」

とされています。

 

考える

集中する

悩む

記憶する

という精神活動は

すべて「心血(しんけつ)」を消費します。

 

さらに

「思(し)は脾を傷める」

という原則があります。

「思」とは

「考えすぎ・心配しすぎ・思い悩み続ける」こと。

 

これが続くと「脾(ひ)」

消化吸収機能が弱まり、

血を新たに作る力が落ちてしまいます。

頭を使う行為

東洋医学的な血の消耗

妊活への影響

長時間のデスクワーク・PC作業

心血・肝血の消耗。目を使うことも「肝血を消耗する」とされる

血が頭・目に集中子宮・卵巣への供給が相対的に減る

スマホの長時間使用(特に夜)

心血の消耗+睡眠の質低下で血の回復が妨げられる

血の消耗が回復されないまま蓄積慢性的な血虚へ

考えすぎ・悩みすぎ(妊活の不安含む)

思慮過多が脾を傷める血を作る力が低下

新たな血が作られにくくなる血虚の悪化

会議・企画・細かい作業の連続

集中・緊張により心血を持続的に消耗

気の緊張が続くと血の流れも停滞しやすくなる

夜更かしして考え事をする

本来は「血が肝に帰る(回収・補充される)」夜に血が消耗し続ける

血の回収・補充ができず翌日さらに血虚が進む

 

【「肝は血を蔵する」——夜は血を休ませる時間】 

東洋医学では

「夜は肝に血が帰る(収まる)時間」

とされています。

 

10時〜深夜2時の間は

血が肝に回収され・補充される時間帯です。

 

この時間に起きていて

頭を使い続けると、

回収されるべき血が消耗され続け、

翌朝には血が足りない状態になってしまいます。

 

血が頭に集まりすぎると——「上実下虚」という状態

頭を使いすぎると、

血は頭部・上半身に集中し、

骨盤内(子宮・卵巣)に届く量が相対的に減ります。

 

東洋医学では

この状態を「上実下虚(じょうじつかきょ)」

と呼びます。

 

「上(頭・上半身)は血が多すぎて詰まり気味

下(骨盤内・子宮・卵巣)は血が足りない」という状態です。

 

上実下虚の状態

体に出るサイン

頭部・上半身に血が集まりすぎる(上実)

のぼせ・頭痛・肩こり・首のこり・目の疲れ・不眠・考えが止まらない

骨盤内・子宮・卵巣への血が不足(下虚)

手足の冷え・足先の冷え・腰だるさ・生理量が少ない・内膜薄化・卵子の質低下

のぼせているのに足は冷たい(冷えのぼせ)

まさに「上実下虚」の典型サイン。頭はほてるのに足先が冷たい

 

「頭は熱くてのぼせているのに、足は冷たい」

これが上実下虚の典型的なサインです。

 

妊活中の方でこのパターンを持っている方が、

デスクワークが多い

考えすぎる

スマホをよく使うという方に

とても多く見られます。

現代医学的に見ると——脳への血流集中と骨盤内血流低下

この「上実下虚」の概念は、

現代医学の視点からも説明できます。

 

デスクワーク・長時間の座位→下半身の筋肉ポンプが機能しない→骨盤内の静脈血がうっ滞→骨盤内血流の低下

●精神的な集中・緊張→交感神経の優位化→末梢血管の収縮→骨盤内を含む末梢への血流が低下

●ストレス・不安による慢性的な交感神経緊張→コルチゾール上昇→骨盤内血管の持続的な収縮

●睡眠不足→成長ホルモン・メラトニン分泌低下→子宮内膜の修復・卵胞の発育サポートが不十分に

 

 

東洋医学の「上実下虚」と現代医学の「骨盤内血流低下」は、

 

別の言葉で同じ現象を指しています。

 

どちらの視点からも

 

「頭を使いすぎることは骨盤内の血流・環境に悪影響を与える」

 

という結論になります。

上実下虚のセルフチェック——あなたはどのタイプ?

以下の項目で自分の状態を確認してみてください。

 

頭・上半身に血が集まりすぎているサイン(上実)

 

仕事中は頭がフル回転で、帰宅しても考えが止まらない

 

肩・首がいつもこっていて、頭痛になりやすい

 

目が疲れやすい・充血しやすい

 

のぼせやすい・顔が赤くなりやすい

 

布団に入っても眠れない・考えが頭をぐるぐるする

 

妊活のことを常に考えていて頭が休まらない

 

子宮・骨盤内への血が不足しているサイン(下虚)

 

手足が冷たい・特に足先が冷える

 

上半身はのぼせているのに下半身・足は冷たい(冷えのぼせ)

 

生理の量が少なくなってきた・色が薄い

 

内膜が薄いと言われたことがある

 

腰がだるい・骨盤まわりが重い感じがする

 

基礎体温の高温期が低め・短め

 

当てはまった数(上実+下虚の合計)

状態の目安と取り組み

24

軽度の上実下虚の傾向あり。生活習慣の見直しから始めると良い

58

中程度の上実下虚。食養生・セルフケアを本格的に始める。経絡治療の相談も

9個以上

上実下虚が強い状態。体質改善を優先的に取り組む。経絡治療・漢方処方の活用を

 

血を子宮に「下ろす」ためのセルフケア

上実下虚の改善策は

頭に集まりすぎた血を

下半身・骨盤内に下ろすことです。

 

補血食材を毎日食べる——まず血の材料を増やす

血が消耗しているなら、

まず「血の材料を補う」ことが最優先です。

 

なつめ・龍眼肉:毎日なつめ茶として。最もシンプルな補血習慣

●あさり・しじみ:週2〜3回。みそ汁に。鉄・ビタミンB12で補血

●ほうれん草・小松菜:毎日。鉄・葉酸で血の材料を補給

●黒きくらげ:週2〜3回。植物性鉄分トップクラス

●黒ごま:毎日すりごま大さじ1。補腎補血の両方に働く

 

 

夜は「頭を休ませる」——血を回収する時間を守る

10時以降は頭を使うことをやめ、

血が肝に回収される時間を確保します。

 

夜9時以降:スマホ・パソコンをオフにする

●夜10時には布団に入る(眠れなくても横になる)

●布団の中では妊活のことを考るのをやめて感じる(マインドフルネス)

●紙の本・好きな音楽・深呼吸で頭をクールダウンする

 

 

足を温める・下半身を動かす——血を下に引き下ろす

頭に集まった血を下半身に引き下ろすために、

足・下半身を積極的に温め・動かします。

 

毎日38〜40℃の足湯を15〜20分:足湯は「血を下に引く」最も効果的な方法

●ふくらはぎのマッサージ:「第二の心臓」としての静脈ポンプ機能を高め骨盤内血流を改善

●毎朝30分のウォーキング:下半身の筋肉を使い骨盤内血流を促進

●腹巻き・靴下・レッグウォーマーで下半身を温め続ける

 

 

仕事中の「血を溜め込まない」工夫

働きながら妊活する方へ。

仕事そのものをやめることはできませんが、

血の消耗を最小限にする工夫はできます。

工夫

血への効果

1時間に1回、立ち上がって5分歩く

座り続けによる骨盤内うっ血を防ぐ。血を下半身に循環させる

昼休みに外を510分歩く

光と歩行で気血を動かし、頭に集まった血を巡らせる

目を閉じて3分間「何も考えない時間」を作る

心血の消耗を一時停止。頭の使いすぎをリセット

タスクの合間に深呼吸5

交感神経の緊張を緩め、末梢・骨盤内血管を拡張させる

パソコンの画面を少し遠ざける(40cm以上)

目への負担を減らし、肝血の消耗を軽減する

 

経絡治療——血を下に引くツボ

当院の経絡治療では、

上実下虚の改善に以下のツボへの施術を行います。

ツボ名

場所

効果

三陰交(さんいんこう)

内くるぶし上4横指

肝・脾・腎の交会穴。補血・活血・血を下半身に引く最重要ツボ

太衝(たいしょう)

足の甲・親指と人差し指の間の根元

肝の原穴。肝血を疏泄し上部の気血の鬱滞を解消する

足三里(あしさんり)

膝のお皿の外下から指4本分下

脾胃の気を補い血の生成を促進。消化力を高め補血の土台を作る

湧泉(ゆうせん)

足の裏・指を曲げたときくぼむ場所

腎経の井穴。気血を最も下に引き下ろす効果がある。足湯後に押すと効果的

 

   

 

「思い悩みすぎない」習慣——脾を守る

「思(考えすぎ)は脾を傷める」

妊活の不安

治療の結果への執着

判定日の恐れ。

 

これらが脾を傷め、

血を作る力を奪います。

 

「今日1日できることをした」と

就寝前に1回だけ確認する。

 

あとは体に任せる

 

妊活の情報収集は

「週1回・30分以内」と決める。

 

不安が浮かんだら

「今この瞬間の体の感覚」に

意識を戻す(マインドフルネス)

 

 悩みを日記に書き出して

「頭の外に出す」

書き出すことで脳内で反芻するより消耗が減る

まとめ:頭を休ませることが、子宮への血を守ること

東洋医学の

「頭を使いすぎると子宮に血が届かなくなる」

という考え方は、

現代の妊活事情にとても当てはまります。

 

一日中パソコン

スマホ

考えごと

で頭を使い続け、

夜も眠れずに妊活のことを考え続ける。

 

この生活が子宮や卵巣への血の供給を奪っています。

 

「補血食材を食べる」

「夜10時に頭を休ませる」

「足を温めて血を下ろす」

「仕事中に1時間おきに歩く」

 

これらの小さな習慣が、

3ヶ月後の子宮・卵巣環境を変えます。

 

三ツ川レディース漢方鍼灸院(大東市)では、

体質診断で上実下虚の程度を把握し、

三陰交・太衝・湧泉への経絡治療・補血漢方・食養生指導で個別にサポートします。

大阪市鶴見区・城東区・旭区・東大阪・門真・寝屋川・交野エリアの方はぜひご相談ください。

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デスクワーク・考えすぎで上実下虚の体質改善をしたい方

●補血・活血の経絡治療で子宮・卵巣への血の流れを改善したい方

●冷えのぼせ・内膜薄化・生理量減少が気になる方

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監修・執筆者

不妊専門 漢方鍼灸師

三ツ川レディース漢方鍼灸院

院長 三ツ川 友一郎

【資格】  鍼灸師・柔道整復師・医薬品登録販売者・日本刺絡学会認定鍼灸師 

【学会】(一社)日本はり医学会 理事役員・日本伝統鍼灸学会会員

【役職】大東市鍼灸マッサージ協会 会長(2017年~)

【実績】1995年開業・臨床歴31年・妊娠サポート860名超

【学術発表】医道の日本(専門誌)執筆・第50回日本伝統鍼灸学会学術大会発表

参考文献

【現代医学文献】

 

1. ステナー=ビクトリンE、他. 不妊女性の子宮動脈血流抵抗への鍼灸の効果. ヒューマン・リプロダクション. 1996;11(6):1314-1317.

 

2. ローニーKL、ドマーAD. ストレスと不妊の関係. ダイアログス・イン・クリニカル・ニューロサイエンス. 2018;20(1):41-47.

 

3. タスタインT、他. メラトニンによる卵子の酸化ストレス保護と体外受精成績への影響. ジャーナル・オブ・ピネアル・リサーチ. 2012;52(4):408-416.

 

4. ボーB、他. 骨盤底筋トレーニングが骨盤内血流に与える影響:システマティックレビュー. ニューロウロロジー・アンド・ウロダイナミクス. 2015;34(4):300-308.

 

5. ガスキンズAJ、チャバロJE. 食事と妊孕性:レビュー. アメリカン・ジャーナル・オブ・オブステトリクス・アンド・ガイネコロジー. 2018;218(4):379-389.

 

【東洋医学古典】

 

・黄帝内経 素問(五蔵生成篇)——「故人臥血帰於肝」:人が横になって休むと血が肝に帰る(回収・補充される)という記述。夜に頭を使い続けることで血の回収が妨げられるという根拠(紀元前2世紀〜紀元後2世紀)

 

・黄帝内経 素問(挙痛論篇)——「思則気結」:思い悩みすぎること(思慮過多)が気を結滞させるという記述。考えすぎが脾を傷め・気滞血瘀を招き・血虚を悪化させるという病機の根拠

 

・黄帝内経 霊枢(邪客篇)——「心者、五蔵六腑之大主也、精神之所舎也」:心が五臓六腑の主であり精神が宿る場所。精神活動(思考・集中)が心血を消耗するという根拠

【免責事項】 本コラムは医療行為の代替を目的とするものではありません。妊活・不妊治療に関する具体的な判断は、必ず担当医・専門家にご相談ください。

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