2022年8月19日
月経前の胸の張りや痛みは妊娠しにくい体質になっているサイン!?
月経前に“胸が張って痛む”などの経験をされたことはございませんか?当院に来院されている患者さんにも同じ悩みを持つ方が多くいらっしゃいます。一般的には月経前に急激なホルモンバランスが変化することが原因だといわれています。特に子宮を妊娠しやすい状態にしたり、乳腺を発達させる作用のある“プロゲステロン(女性ホルモン)”が多く分泌することで“胸の張りや痛み”などの症状が出ると考えられています。
ですが月経前に胸の張りや痛みなどの症状があるのは健康な状態とは言い切れません。胸の張りや痛みだけでなく、月経前の”イライラ(PMS)、食欲増進“などの症状が出るのを当たり前だと思っている方は多いと思いますが東洋医学では体内をスムーズに循環すべき”気血水(生命エネルギ・血液・水分)“の流れが滞っていると月経前に様な症状があらわれると考えられています。
そこで今回は東洋医学で考える”月経前に胸が張り痛む“原因と効果的な養生法や漢方薬をご紹介していきたいと思います。
【目次】
東洋医学で考える月経前に胸が張って痛む主な原因と体質傾向
東洋医学で人間の身体は”気血水“の3つの構成要素で成り立っていると考えられています。気は”生命を動かすエネルギー“で血は”血液“、水は”体液などの水分“を示しています。これら3つの要素がバランスよく循環することで健康が維持されています。ですが、何らかの原因でこれらのバランスが崩れ循環が滞ると様々な症状があらわれると考えられています。
月経前に胸が張り、痛むなどの症状が出る方は気血水のなかでも特に”気の巡りが滞っている“傾向があります。東洋医学ではこの状態を”気滞“といいます。
気滞は”月経前に胸が張り、痛む“症状のほかにも
- イライラする
- 寝つきが悪い
- ガスが多い
- 情緒不安定になる(気分の落ち込み)
などの症状があらわれることがあります。
気滞になる原因は様々ですが、もっとも多いと考えられているのは“精神的なストレス”です。
ストレスは五臓(肝・心・脾・肺・腎)の“肝”に大きな影響を与え、機能を失調させてしまいます。肝は“自律神経”を主り、“全身に気や血を巡らせる”働きがあります。そのため過度な緊張やストレスなどで肝の機能が失調すると自律神経が乱れ、”女性ホルモンのバランスが崩れる”原因になります。また、気や血が上手く循環されなくなるため”気滞“の原因になったり、血流が滞ると子宮内に十分な栄養や酸素が行き届かなくなるため”受精や着床率の低下“などにもつながることがあります。
よって月経前の胸の張りや痛みは女性ホルモンのバランスが乱れ、全身の気や血の巡りが滞っている”妊娠しにくい体質になっているサイン“かもしれないため注意が必要です。
月経前に胸が張って痛む症状がある方におすすめの養生法
気滞傾向にある方の養生法で一番大切なのは”ストレスをため込まない“ことです。先ほどもご紹介したように気滞は主に”精神的なストレス“によって引き起こされるため、ストレスを取り除くことが体質を改善する一番の近道です。
“適度な運動や趣味などで自分の時間をつくったり、香り高いもの(アロマなど)をつかってリラックスする時間をもうける”などしてストレスをため込まないようにしましょう。
また、ストレスは“不規則な生活”もストレスの原因になるため、夜更かしなどは避けしっかり睡眠をとるように心がけましょう。
ストレスを感じやすい方は日頃から“深呼吸”することもおすすめです。深呼吸には“リラックス効果や自律神経を整える効果”も期待できます。緊張やストレスなどで滞った気を巡らせるようなイメージをしながら、できるだけ大きく吸ってゆっくり吐いてみましょう。
また”しょうが、にんにく、みょうが、セロリ、クレソン“などの香味野菜や”ミカン、きんかん、グレープフルーツ、シークワーサー“などの柑橘類は気の巡りを良くする効果が期待できるため、気滞傾向にある方は積極的に摂取するようにしましょう。
シークワーサーについて詳しく解説した動画がございますのでぜひあわせてご覧ください。
月経前に胸が張って痛む方に効果的な漢方薬
月経前に胸が張って痛む症状を改善するにはご紹介した養生法だけでなく、漢方薬を併用していただくことでより効果が期待できます。
気滞傾向にある方は気の巡りを良くする生薬“柴胡(さいこ)”が含まれている “半夏厚朴湯”や“抑肝散加陳皮半夏、加味逍遙散、加味帰脾湯”などの漢方薬が使用されることが多いです。
ですが、すべての方がご紹介した漢方薬で症状が改善させるわけではありません。漢方薬は体質にあったものを服用する必要があります。体質にあっていないものを服用し続けると症状が悪化したり、下痢などの副作用が出る場合があります。漢方薬を服用する際は自己判断を避け、必ず東洋医学の専門家に一度ご相談ください。
月経前の胸の張りや痛みは妊娠しにくい体質になっているサイン!?のまとめ
今回は月経前に胸の張りや痛みの症状についてお話ししましたが、この症状があると妊娠に至れないわけではありません。妊娠に至るために一番大切なことは”心身ともに健康”であることですので、ご紹介した養生や漢方薬で体質改善をしていただくことで妊娠・出産は十分に可能です。お心当たりのある方は今一度見直してみてください。
当院では鍼灸施術だけでなく、体質にあった漢方薬の処方もおこなっておりますのでぜひ一度ご相談ください。
※大阪以外の遠方の方にも、お身体の状態や不妊治療の経過に合わせて、漢方薬や自宅できるお灸などをお伝えして対応していますので、気軽にメールや電話にてご相談ください。
→遠方の方でご相談したい方はこちらをご覧ください
また当院はブログだけでなく、YouTubeでも妊活に役立つ情報を発信しておりますのでぜひチャンネル登録をしてご覧ください。