2022年7月13日
不妊の原因になる!?東洋医学の視点からみる不正出血の主な原因と対処法
不正出血とは“月経時以外にみられる性器からの出血”のことをいいます。当院にいらしている患者さんにも不正出血で悩まれている方は多くいらっしゃいます。月経の時以外に出血があると“自分の身体に何か異常がおきているのではないか。”と不安に感じるものです。一般的に不正出血の原因で一番多いとされているのがホルモンバランスの乱れによる“機能的出血”です。
月経は女性ホルモンの”エストロゲンとプロゲステロン“のバランスによって月経周期が一定に保たれています。ですが何らかの原因でホルモンバランスが崩れ、女性ホルモンの分泌量が急激に変化すると一部の子宮内膜が剥がれ落ち、不正出血となると考えられています。
そこで今回は“なぜホルモンバランスが崩れるのか”など東洋医学の視点からみた不正出血の主な原因と対処法についてご紹介していきたいと思います。
東洋医学の視点からみる不正出血の主な原因
東洋医学では五臓六腑すべてはつながっており、バランスを保つことで健康が維持されていると考えられています。ですが何らかの原因で五臓六腑全体のバランスが崩れると様々な症状や不調があらわれます
東洋医学で不正出血は“崩漏(ほうろう)”ともいわれており、文字通り“バランスが崩れ、漏れ出る”という意味があります。これは主に五臓の”肝、脾、腎“の機能が失調することで症状があらわれると考えられています。
自律神経を調節する「肝」
東洋医学で肝は主に“自律神経を調節する”働きがあります。ですが肝は“ストレス”の影響を受けやすく、過剰なストレスや緊張状態が続くと肝の機能が失調してしまいます。すると自律神経の調節ができなくなるため、“ホルモンバランス”が崩れ不正出血の原因になります。
また肝は”全身の気や血を巡らせる”働きもあるため、失調すると血流が悪くなり、不妊の原因になることもあります。
血が外に漏れ出ないように循環させる「脾」
脾には”血が外に漏れ出ないよう正常に循環させる“働きがあり、これを”統血(とうけつ)作用“といいます。脾は”胃“ととても密接な関係があり、“飲食物の消化吸収をおこなう場所”でもあります。そのため、日頃の”食生活“がとても重要になってきます。日本はとくに”湿気”が多く、消化器系の機能が低下しやすくなっています。その上から”冷たい食べ物や飲み物、甘いものや油もの“などをたくさん摂取していると脾の機能が失調しやすくなってしまいます。統血作用が失調すると“漏れ出ないよう留められている血が体外に漏れ出る”ため、女性の場合は不正出血の原因になります。
生殖機能を主り、身体にとって必要なものを一時的に蓄える「腎」
腎は“生殖機能”と関係がとても深く、身体にとって必要なものを一時的に蓄える“固摂作用”があります。固摂作用は先ほどご紹介した脾の“統血作用と似た働き”をします。腎の機能は主に“老化や甘いものの食べ過ぎ”などで機能が失調することが多いです。腎の機能が失調し、固摂作用が低下すると“蓄える力がなくなる”ため不正出血の原因になります。さらに体内にとどめておくことができないので“早産や流産”の原因になることもあります。
東洋医学の視点からみる不正出血の養生法
さきほどご紹介しましたが五臓六腑はすべてつながっており、それらのバランスを保つことで健康が維持されています。そのため五臓六腑いずれかの機能が失調すれば全体的なバランスが崩れ、様々な症状があらわれます。不正出血の対処法としてとても重要なのは“生活習慣”です。
“甘いものや油もの、冷たい食べ物や飲み物”の摂り過ぎは脾胃の消化機能を低下させる原因になり、特に甘いものは腎機能も失調させてしまい、不正出血だけでなく不妊の原因にもつながります。偏った食生活は控え、バランスの摂れた食事を摂るようにしましょう。
また、不正出血は“血虚(いわゆる貧血)”体質の方にみられる傾向が多いため、貧血傾向にある方は“鉄分”を積極的に摂るようにしましょう。
さらに“夜更かし”などによる睡眠不足は”ストレス“になり、肝の機能を失調させる原因につながります。休日など関係なく”早寝早起き“を心がけることが大切です。
※妊活中に気をつけていただきたい食べ物や飲み物、睡眠の質と不妊の関係性など詳しくご紹介した記事を”あわせて読みたい不妊改善記事の欄”に記載しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。
不妊の原因になる!?東洋医学の視点からみる不正出血の主な原因と対処法のまとめ
今回は不妊の原因になる不正出血の主な原因と対処法についてお話ししましたが、不正出血があると妊娠できないわけではありません。生活習慣などを見直し、体質改善をしていただくことで妊娠に至ることは十分に可能です。
ですが不正出血はストレスやホルモンバランスなどの機能的なものだけでなく、場合によっては婦人科系の病気が隠れていることがあります。“出血量や増え続けたり、不正出血が長期にわたる”場合は一度産婦人科などにご相談してみてください。
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