2022年7月7日
【妊活】体質別!不妊の原因になる夏冷えに効果的な漢方薬
今年は最速で梅雨明けをし、猛暑の日が続いておりますが妊活中の方にこれから気をつけいただきたいのは“夏冷え”です。夏場でも暑いから良かれと思っておこなっている養生が逆に身体を冷やしてしまい、不妊の原因になることがあります。前回は”夏にやってしまいがちな間違った生活習慣“を3つご紹介しました。そこで今回は”体質別に夏冷えに効果的な漢方薬”をご紹介していきたいと思います。
夏冷えの原因になる生活習慣については詳しくご紹介している記事がございますので、ぜひあわせてご覧ください。
体質別!夏冷えに効果的な漢方薬
夏冷えの原因は様々ですが、そのなかでも妊活中の方に気をつけていただきたい体質傾向と効果的な漢方薬をご紹介していきたいと思います。
夏場に食欲が低下する胃腸が弱い気血両虚タイプ
夏場に食欲が低下し、体重が1~2キロ減少する方はこの胃腸が弱い“気血両虚”タイプの可能性があります。
東洋医学では“気血水” 3つの構成要素で健康が維持されていると考えられており、気血両虚とは何らかの原因で“気と血”が不足し気血水のバランスを崩している状態をいいます。
気血両虚の主な症状は
・倦怠感や息切れ
・暑くもなく動かないのに汗が出る(自汗)
・顔色に血色がなく、艶がない
・動悸
などの症状がみられる場合があります。
東洋医学では飲食物から“血”がつくられると考えられており、胃腸が弱っていると必要な血が十分につくられなくなってしまいます。気や血が不足していると“栄養や血液が手足の末端まで十分に行き届かない”ため冷えの原因になることがあります。さらに血が不足し、血流が悪いと子宮内に酸素や栄養が行き届かなくなるため、”子宮内膜が薄くなったり、着床率の低下する”原因につながることもあります。
気血両虚傾向のある方には不足した気や血を補う“六君子湯や補中益湯、全十大補湯”などの漢方薬がおすすめです。“胃腸の働きを高めると同時に滋養強壮して自然治癒力を高める”効果が期待できます。
全身の血の巡りが悪く、夏でも手足が冷える瘀血タイプ
瘀血とは血の巡りが悪くなり、古くなった血や老廃物が体内に溜まっている状態をいいます。瘀血は主に“過度なストレスや不規則な生活、偏った食生活”などが原因と考えられています。
瘀血の主な症状は
・肩こり、頭痛
・手足の冷えや冷えのぼせ
・シミやそばかす、クマ
・ニキビなどの肌荒れ
・月経血に塊が混じる
などの症状がみられることがあります。
瘀血傾向がある方は”全身の血流が悪くなる“ため、手足の末端まで血が巡らず夏でも”冷え“の症状がみられやすくなります。また”子宮内の血流も悪くなる“ため、卵子の質が低下し、不妊の原因にもなります。
瘀血傾向にある方は血の巡りを良くする“桂枝茯苓丸や芎帰調血飲第一加減、桃核承気湯”などの漢方薬がおすすめです。これらの漢方薬は全身の血の巡りを良くし、瘀血を改善する効果が期待できます。また貧血があり、瘀血傾向にある方は“加味逍遙散、婦人宝”などが処方されることもあります。
全身の水分代謝が悪く、余分な水分が溜まって冷える水滞タイプ
水滞とは”体内に余分な水分や老廃物が溜まり、水分代謝が悪くなっている“状態をいいます。水滞は主に”水分の過剰摂取や腎機能の低下、自律神経の乱れ“などが原因と考えられています。
水滞の主な症状は
・むくみ(特に下半身)
・軟便や下痢
・冷え
・太り気味
などの症状がみられることがあります。
水滞傾向にある方は”全身の水分代謝が悪くなり、余分な水分が体内に溜まってしまう”ためむくんで冷えやすくなります。夏は特に熱中症対策をしようと水分を摂りすぎて水滞になる方も少なくありません。水分代謝悪く、身体が冷えていると”子宮内も冷え不妊の原因”になります。
水滞傾向のある方は水分代謝を良くする“五苓散や当帰芍薬散”など水分代謝を上げ余分な水分を取り除く漢方薬がおすすめです。ですが、水滞の原因が”腎機能の低下によるものや自律神経の乱れによるもの“の場合は漢方薬が異なってくるため注意が必要です。
※漢方薬は体質に合ったものを服用する必要があります。体質に合っていないものを服用し続けるとまれに症状が悪化する恐れがあります。そのため漢方薬を服用する際は自己判断を避け、お近くの東洋医学の専門家に相談しましょう。
体質別!不妊の原因になる夏冷えに効果的な漢方薬のまとめ
今回は体質別で夏冷えに効果的な漢方薬をご紹介しましたがすべての方が当てはまるわけではありません。体質はそれぞれ異なるため、ご自身の体質を詳しく知るためには東洋医学の専門家に相談していただくことが一番です。
また、漢方薬を服用すれば必ず妊娠に至るわけでもありません。妊娠に至るためには”心身共に健康“であることがとても大切なので、睡眠や運動などの”生活習慣“や”食生活“などの見直しも必要です。お心当たりのある方は今一度見直してみてください。
当院では鍼灸施術だけでなく、体質に合った漢方薬の処方もおこなっておりますので、ぜひ当院に一度ご相談ください。
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