2022年6月24日
妊活におすすめのお茶。卵子の質を上げるおすすめのお茶3選。
妊活中は”卵子の質を上げる“ことがとても重要です。
卵子の質は年齢とともに低下するので、妊娠に至るためには”卵子の老化を防ぐ”必要があります。大切なのは食べ物だけではありません。妊活中は食べ物だけでなく、飲み物も気をつけていただくことが大切です。”卵子の質を上げるおすすめのお茶“を3つご紹介します。
【目次】
不妊治療に欠かせない卵子の質とは?
卵子の素となる原始卵胞は、生まれた時からすでに卵巣の中にあります。思春期の時点で30〜40万の卵子が存在するものの、閉経前には1,000前後まで自分の年齢と同じく年を重ねていき、数も減少していきます。
卵子の年齢も、自身の年齢と同じだけ老化が進んでいることは知っておきましょう。閉経を迎える準備は、卵巣機能が低下していく生理現象です。35歳程度を目安にその準備が始まります。
卵子の質の低下は不妊の原因に
受精しても細胞分裂しにくくなることに加え、胚の成長が止まるケースも少なくありません。 胚の質が低下し、着床しにくくなるため、妊娠率も低下してしまいます。
卵子が老化する過程で、遺伝子が何かの要因でダメージを受けてしまった場合、胎児の染色体異常が起きる割合が高くなるとされています。そのため、自然に流産する確率が20代〜30代前半では10〜15%程度、30代後半以降では20〜40%程度まで上がってしまうのです。
妊活中の冷え対策がどうして大切なの?
体温が低いと、体内でウイルスが繁殖しやすく風邪を引きやすくなったり、全身の血流が悪くなることで生殖器(卵巣や子宮)の働きが低下したりすると言われており、妊活にとって冷えは大敵です。
妊活中にカフェインを摂取してもいいの?
冷え対策に暖かい飲み物を飲みたいところですが、妊活中にカフェインを摂取してもいいのでしょうか。
コーヒーを飲む量が1日3〜5杯を超えると妊娠率が下がった、妊娠するまでの期間が長くなった、という報告は多いです。また、妊娠中にカフェインを摂りすぎると、流産したり、胎児の成長に影響を及ぼし低体重になったりするおそれがあります。
日本では、妊婦さんに対する上限量が定められていませんが、海外では悪影響のない最大摂取量として下記の値が公表されています。
【悪影響のない最大摂取量】
世界保健機関(WHO) 300 mg/日
欧州食品安全機関(EFSA) 200 mg/日
カナダ保健省 300 mg/日
参考:カフェインの過剰摂取について:農林水産省
コーヒーの場合、100mlに約60mgのカフェインが含まれることから、150mlカップならコーヒーは1日2杯程度までにしておくといいでしょう。
ほかにも、カフェインは、コーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ココアなどにも含まれています。コーヒーカップ1杯に含まれるカフェイン量は約120mg、紅茶はその半分の約60mgです。
市販で売られているジュースなどにはたくさんの”白砂糖“が含まれており、摂り過ぎると卵子の老化を進行させてしまいます。製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なります。
【カフェインを多く含む飲み物】
・コーヒー 60mg/100 ml
・インスタントコーヒー 57mg/100 ml
・玉露 160mg/100 ml
・茶葉 10 g/60 ℃の湯 60 ml、2.5 分
・紅茶 30mg/100 ml
・せん茶 20mg/100 ml
・ウーロン茶 20mg/100 ml
・エナジードリンク・眠気覚まし用飲料 (清涼飲料水)32 ~ 300 mg/100 ml
カフェインが入っていなくても、糖質がたくさん含まれていることが多いです。糖質をとり過ぎると肥満を招くことになり、肥満になると排卵しにくくなります。妊活にはよくない影響が。また、妊娠中や出産時のリスクも高まるのです。
糖質を摂取して血糖値が急上昇すると、それを下げるために膵臓からインスリンが分泌されますが、インスリンには体を太らせる作用があります。
加えて、アルコールの分子はとても小さく、胎盤で留まらずに、赤ちゃんの血液にすぐに流れ込んでしまいます。妊婦さんがアルコールを大量に摂取すると、アルコールの代謝能力がない赤ちゃんの体や脳の発育に大きな影響を与えかねません。
卵子の質を上げるおすすめのお茶
妊活中は”ポリフェノールがたくさん含まれている“飲み物を飲むのがおすすめ。血糖値やインスリン分泌の急激な上昇・下降を続けていると、健康に悪影響を及ぼします。妊娠を望むのなら、糖質をとり過ぎることなく、健康的な食生活を心がけましょう。
おすすめな卵子の質を上げるおすすめのお茶は、
・ごぼう茶
・たんぽぽ茶
・ラフマ茶(ヤンロン茶)
・麦茶
・黒豆茶
・ルイボスティー
などです。
それぞれ詳しくご紹介していきます。
食物繊維やポリフェノールが豊富なごぼう茶
ごぼうに含まれている成分で一番知られているのは“食物繊維”です。腸内環境を整え、利尿や便通でデトックスをし、健康を維持してくれます。
一般的に食物繊維が多く含まれていることで知られているかぼちゃやにんじん、ほうれん草などは“100gあたり2.7g”程度ですが、ごぼうは“100gあたり5.7g”も含まれており、他の野菜に比べ群を抜いています。そのためごぼう茶は“便通改善”などに効果的です。
ごぼう茶には”タンニンやクロロゲン酸、アルクチゲニン“など様々な”ポリフェノール“が多く含まれています。
ポリフェノールには強い“抗酸化作用”があり、老化の原因と言われている“活性酵素(酸化ストレス)を除去”する効果が期待できます。卵子の質を上げるためには“卵子の老化を防ぐ”ことがとても大切ですので、大変おすすめです。
ごぼう茶の効能は”便通改善やアンチエイジング“だけでなく、”血糖値の上昇を控える”働きや”コレステロール値の抑制、免疫力のアップ、冷え性の改善“なども効果が期待できます。
妊活を始めたばかりで何を飲んだら良いかわからない方はまず“ごぼう茶”を試してみてください。
性ホルモンの分泌を促し卵子の質を上げるたんぽぽ茶・たんぽぽコーヒー
たんぽぽ茶・たんぽぽコーヒーは、ノンカフェインなので妊娠中でも量をあまり気にせずに安心して飲めます。香ばしいコーヒー風味が味わえるナチュラルハーブティーです。
たんぽぽ茶が不妊に効果的な科学的根拠はございませんが、“体質改善”されることで妊娠しやすくなるのではないかと考えられています。たんぽぽ茶は主に”カルシウムや鉄分の栄養補給やむくみの解消、便通の改善、血圧下降“などの効果が期待できます。
また不妊を改善するカギとなるのは”たんぽぽT-1“とよばれる成分です。たんぽぽT-1とはたんぽぽの葉から抽出される成分で”性ホルモンの分泌促進や解毒作用により血流を改善する“効果が期待できます。
たんぽぽ茶についての詳細は以下の記事をご覧ください。当院がおすすめするたんぽぽ茶もご紹介しています。
自律神経の乱れを改善し女性ホルモンを整えるラフマ茶
”日頃からストレスを感じ、睡眠が浅い方“にはラフマ茶がおすすめです。
ラフマとは中国の吉林省以南から西モンゴルまで広く自生する野生植物です。日本では別名“燕龍茶(ヤンロンティー)”とも呼ばれており、生活習慣予防の健康茶として飲まれてきました。
ラフマには“フラボノイド”とよばれる“ポリフェノールの一種”が含まれており、主に
・抗うつ作用、抗不安作用
・安静作用
・女性ホルモン調節作用
・血圧上昇抑制作用
・肝臓保護作用
・抗酸化作用(アンチエイジング)
などの効果が期待できるといわれています。
ラフマは近年、興奮作用のある”ノルアドレナリンやドーパミンなどの過剰分泌を抑制し、自律神経を整える“ものとして注目されています。抗不安作用により、”ストレスが緩和されることで自律神経が整うと女性ホルモンも安定“することが期待できます。
またフラボノイドだけでなく、“アポシニン”とよばれる成分にも強い“抗酸化作用”があるため、妊活中の方に大変おすすめです。さらに”マグネシウムやカルシウム、鉄分“なども含まれており、栄養補給にもおすすめです。
ノンカフェインでミネラルを含んでいる麦茶
大麦が原料である麦茶は、ノンカフェインです。麦茶はミネラルを比較的多く含むため、麦茶を飲むことで水分だけでなくミネラルも補給できます。
カリウムやカルシウムなどのミネラルが含まれているため、汗をかきがちな夏場の水分補給にぴったりですよ。冷やした麦茶が美味しいですが、なるべく常温で飲みましょう。ホットで飲むのも美味しいですね。
黒豆茶
高血圧や動脈硬化など生活習慣病の予防効果も期待されている食材「黒大豆」が原料のお茶で、ノンカフェインです。
妊娠中はホルモンバランスが変わり、体がむくみやすい状態になっています。豆茶に含まれる黒大豆ポリフェノールを摂取することで、むくみの改善作用が期待できます。 また、黒豆茶に含まれるカリウムも、むくみの改善に効果的とされる栄養成分となります。
黒豆茶に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをして女性の美しさを手助けしてくれると言われる半面、摂取し過ぎると胎児の生殖機能に影響を及ぼす可能性が示唆されています。
妊婦が黒豆茶を飲むときの注意点は大豆イソフラボンの過剰摂取です。大豆イソフラボンは、妊娠中のホルモンに影響が出るため、妊婦さんが摂りすぎるのは良くないとされています。
ルイボスティー
ルイボスティーはノンカフェインのお茶です。ポリフェノールが多く含まれているので、飲みすぎないように注意しましょう。
特に妊娠後期(妊娠8ヶ月以降)の飲み過ぎには注意が必要です。1日500〜千ミリグラムをとっていた症例が多い」との報告もあります。また、ルイボスティーの成分に何らかの健康効果を期待し、あえて濃いめに煮出したりするケースも見受けられますが、濃くするとポリフェノールの含有量も多くなるので注意が必要です。
まとめ
今回は卵子の質を上げるおすすめの飲み物を3つご紹介しました。どのお茶も”ノンカフェイン“のため、妊活中の方だけでなく、妊婦さんや小さなお子さんでも飲用いただけます。
ですが、これらのお茶を飲用したからといって必ず妊娠に至るわけではありません。妊娠に至るために大切なのは“心身共に健康”であることです。飲み物だけでなく、普段の食生活や睡眠、運動などの“生活習慣”を見直すことがとても重要ですので、今回ご紹介した飲み物は“卵子の質を上げる方法の一つ”としてお考え下さい。