2022年3月17日
【妊活】月経周期が短いと不妊や流産の原因になる!?
妊娠に至るためには自身の月経周期について知っておくことはとても大切なことです。
月経周期とは“月経開始日から次の月経までの日数”をいい、一般的には正常の月経周期は“28日”と記載されることが多いですが本来は“25~38日”であれば正常範囲内といわれています。ですが“月経周期があまり短いと不妊や流産の原因になる”と考えられています。
そこで今回はなぜ月経周期が短いと不妊や流産の原因になるのか、また月経周期を整えるためにはどうすればよいのかご紹介していきたいと思います。
【目次】
月経周期の短さと不妊の関係性について
月経周期が“24日以下”の短いサイクルになることを”頻発月経”といい、主に”ストレスや卵巣機能の低下”が原因と西洋医学では考えられています。
卵巣機能は年齢とともに低下するため、“卵胞の発育が遅れたり、不十分だったりする”ことがあります。卵胞の発育が不十分な状態にも関わらず、視床下部がなんらかの原因で女性ホルモンを促すホルモン(性腺刺激ホルモン)が分泌し排卵を促してしまいます。すると“卵胞期が通常よりも短くなる”ため卵胞は未成熟のまま排卵されるため妊娠しにくくなることがあるといわれています。
また頻発月経の中には排卵後に分泌される“黄体ホルモン(プロゲステロン)”の働きが不十分で排卵日から月経までの期間が短くなる“黄体機能不全”によるものもあります。黄体ホルモンの働きが不足すると“子宮内膜が十分につくられなくなる”ため、”着床障害や流産“などの原因になると考えられています。
東洋医学で考える月経周期が短くなるの原因とは?
東洋医学で頻発月経は主に”血熱“によるものだと考えられています。
血熱とは”熱邪が血に侵入し、身体に無駄な熱がこもっている状態“をいいます。血熱は”ストレスなどの過剰な情志の変化や辛いもの、味の濃いものなどの過食“により体内に熱がこもり溜まってしまうことが原因で発生するのではないかと考えられています。
熱には“生理物質を促進する”働きがあるため、過剰な熱で血の運行が速くなると血が血脈から溢れ出し出血しやすくなります。すると”鼻血や歯茎からの出血、内出血“の症状や女性の場合は”月経周期が短くなったり(頻発月経)、経血量が増えたり(過多月経)”します。
身体に熱がこもれば誰しもが血熱になるわけではなく
- 陰虚
- 瘀血
- 気滞
の3つの体質傾向にある方は血熱になりやすいため注意が必要です。
ひとつずつ解説していきたいと思います。
体内の水液や血などの陰液が不足する「陰虚」タイプ
陰虚とは臓腑の機能が何らかの原因で失調し、体内の水液や血などの“陰液”が不足する状態をいいます。
身体の陰液が不足すると熱が旺盛となり“のぼせや手足のほてり、のどの渇き、寝汗、肌の乾燥”などの症状がみられます。陰虚タイプの方は“冷やす作用のある陰液が不足し、体内に熱がこもっている”ため血熱になりやすい傾向があります。
全身の血の巡りが悪くなる「瘀血」タイプ
瘀血とは全身の血の巡りが悪くなり、古くなった血が体内に停滞している状態をいいます。
瘀血傾向にある場合“肩こりや頭痛、クマやシミ、強い月経時痛、月経血にレバー状の塊が出る”などといった症状がみられることがあります。
血は”身体を冷やす作用がある陰液のひとつ“のため、何らかの原因で巡りが悪くなると“血の粘稠度が増し水分を消耗した状態”になってしまいます。すると体内は熱がこもり、それらが血まで侵入すると血熱になる原因になります。
全身の気の巡りが悪くなり滞る「気滞」タイプ
気滞とは気血水の“気の巡りが悪くなり、流れが滞ってしまう”状態をいいます。
主にストレスが原因と考えられており“イライラやのどの違和感、ゲップが良く出る、月経前に胸が張る”などの症状があらわれることがあります。
気と血はとても密接な関係があるため、気の巡りが滞ってしまうと血の巡りも悪くなってしまいます。すると先ほど瘀血タイプでもご紹介したように“血の粘稠度が増し、身体に熱がこもりやすくなる”ため気滞タイプの方も血熱になりやすいと考えられています。
血熱により月経周期が短くなるのを改善する養生法
血熱による頻発月経の改善方法ですが、血熱は先ほどご紹介したように“過剰な情志の変化や偏った食生活”では発生することが多いため重要なのは”ストレス解消と食生活の見直し“です。”不規則な生活や睡眠不足“などはストレスの原因になるためできるだけ控え、”趣味など自分の時間を作ったり、適度な運動をする“などをしてストレスをため込まないようにしましょう。
また食生活では”辛い物や味の濃いもの、油っこいもの “などは特に体内を熱化させやすいためを過食しすぎると血熱になってしまいます。そのため偏った食事は避け、栄養バランスの良い食生活を心がけるようにしましょう。
月経周期が短い方の不妊に効果的な漢方薬
頻発月経を改善していただくためには”漢方薬“を併用していただくとより効果的です。
血熱による頻発月経の場合は“清熱剤”といわれる“熱を冷ます”働きがある漢方薬がよく使われます。清熱剤でも先ほどご紹介したように”どのような体質が原因で血熱になっているか“を判別し服用する必要があります。
例えば”陰虚“が原因で血熱になった場合は、”六味丸“や”杞菊地黄丸“など”身体の陰液を補う“漢方薬を使います。
そのほか瘀血の場合は“桂枝茯苓丸や桃核承気湯”などの”活血剤(血の巡りをよくする漢方薬)“を使い、気滞の場合は“加味逍遥散や半夏厚朴湯”などの“理気剤(気の巡りをよくする漢方薬)”を使います。
頻発月経に漢方薬はとても効果的ですが漢方薬は体質に合っていないものを服用すると症状が悪化する恐れがあります。服用する際は自己判断を避け、東洋医学の専門家に相談したうえで服用するようにしましょう。
月経周期が短いと不妊や流産の原因になる!?のまとめ
今回は月経周期が短くなる頻発月経についてご紹介しましたが、頻発月経だからといって妊娠・出産ができないわけではありません。ご紹介した養生や漢方薬を取り入れていただくことで妊娠・出産は十分に可能です。
妊娠に至るために一番重要なのは“心身共に健康”であることなので今一度ご自身の生活習慣を見直してみましょう。
当院では鍼灸施術だけでなく、漢方薬の処方や簡単にできる養生法のアドバイスなどもおこなっておりますので心当たりのある方はぜひ当院にご相談ください。
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