2022年3月3日
【妊活】不妊につながる!?月経血量が多い(過多月経)の原因と対処法
妊娠や出産に至るためには卵子の質などももちろんですが、“自分の月経血量”について知っておくことはとても大切です。月経血の量は”女性ホルモン“と関係が深く、何らかの原因でホルモンバランスが崩れると月経血量にも影響し、子宮の病気や妊娠しにくくなる恐れがあります。
前回は月経血量が少なくなる原因をご紹介しましたが、今回は”月経血量が多い(過多月経)“の主な原因についてお話していきたいと思います。
→月経血量が少なくなる原因と対処法についてはこちらの記事をご覧ください
※月経血と不妊の関係についても詳しく記載しておりますのでぜひご参考ください。
月経血量が増える「過多月経」とは?
過多月経とは“1回の月経で出血量が150ml以上”あることをいいます。
- 昼でも夜用ナプキンを3日以上使用することがある
- 普通のナプキンでは1時間もたない
- 月経血にレバー状のような大きな塊が混じることがある
- 以前よりも月経血量が増え、日数も長くなった
などに該当する方は過多月経の可能性があります。
東洋医学でみる月経血量が多くなる主な原因
先ほど少しお話ししたように月経血の量は”女性ホルモン“と深い関係があります。
その女性ホルモンは”自律神経“によって分泌が調節されているため、月経血量が増える大きな原因は”ホルモンバランスの崩れ“です。
ですが、ホルモンバランスの崩れだけでなく東洋医学では
- 生命エネルギ―が不足している「気虚」
- 熱邪が血に侵入し出血が促される「血熱」
- 全身の血の巡りが悪くなる「瘀血」
などの体質傾向がある方に多いと考えられています。
それぞれ体質別に詳しく解説していきます。
生命エネルギ―が不足している「気虚」
東洋医学では人間の身体は”気血水“の3つで健康が維持されていると考えられています。気は”生命エネルギー“のことをいい、元気や気力などの”神経機能“の働きをおこなっています。
気虚とは“過労、生活の不摂生、慢性疾患”などにより気血水の”気“が不足している身体の状態をいいます。
- 疲れやすい
- 風邪を引きやすい
- 集中力が持続しない
- 胃腸が弱い
などに該当する場合は気虚傾向の可能性があります。
気には “血などに人体に必要なものを体外に漏れ出ないようにコントロールする働き(固摂作用)”があり、過労などにより固摂作用が失調すると”出血“しやすくなってしまいます。
すると“月経血量が増えたり、不正出血”などの原因になることがあります。
熱邪が血に侵入し出血が促される「血熱」
血熱とは”熱邪が血に侵入した“身体の状態をいいます。
- 赤みの帯びた湿疹
- 目の充血
- のぼせ、赤ら顔
などに該当する場合は血熱傾向の可能性があります。
熱邪とは東洋医学における”外部からの疾患の原因(六淫)“のひとつで熱邪は“味が濃いものや脂肪分が多い食生活やストレス”など外的な“熱の障害“により発生するものです。
熱邪が発生すると“高熱、悪寒、発汗、口渇、頭痛”などの症状がみられますが、血に侵入すると”出血“を促すため、月経血量が増えると考えられています。
全身の血の巡りが悪くなる「瘀血」
瘀血とは”ストレスや冷え、偏った食生活“などにより”血の巡りが悪くなり、古くなった血が体内に溜まっている”状態をいいます。
- 肩こりや頭痛
- 傷跡やあざが残りやすい
- シミ、そばかす、クマ、くすみ
- ニキビやイボなどの肌荒れ
などに該当する場合は瘀血傾向の可能性があります。
瘀血の場合血の巡りが悪くなるので月経血量が少なくなることもありますが“血行不良により血が溢れ出す”と過多月経になることがあり、”レバー状のような大きな塊の月経血“が出るのが特徴です。
また古くなった血が子宮や卵巣周囲に溜まると不妊の原因でもある”子宮内膜症やチョコレート嚢胞、子宮筋腫“などになる恐れがあると東洋医学では考えられています。
東洋医学で考える過多月経の対処法
先ほどご紹介した月経血量が増える原因の”気虚、血熱、瘀血“傾向に共通しているものとして”ストレス、不規則な生活、偏った食事“などがあげられます。そのため対処法として大切なのは“生活習慣を整え、ストレスを解消”することです。
ストレスは”自律神経“と密接な関係にあるため、溜め込んでしまうと”女性ホルモンの分泌“に影響を及ぼしてしまいます。
女性ホルモンのバランスが崩れると月経血量の乱れだけでなく、”月経不順や排卵障害、着床障害“の原因にもなるため”趣味の時間を作ったり、適度な運動“などしてストレスを溜め込まないようにしましょう。
また“夜更かし”などの“不規則な生活”もストレスの原因になることがあるため、夜更かしは控えしっかり睡眠時間を摂るようにしましょう。
さらに”味の濃いものや油物、甘いもの“などの摂り過ぎは”血熱や瘀血“になり”生殖機能を低下“させる大きな原因になるため偏った食事は控え、”バランスの良い栄養のある食事“を日頃から心がけましょう。
日頃の養生を心がけながら”漢方薬“も併用していただくとより効果が期待できます。ですが漢方薬は体質によって異なるため、合わないものを服用すると症状が悪化してしまうおそれがあります。
漢方薬を服用する際は必ず東洋医学の専門家に相談しましょう。
月経血量が多い(過多月経)の原因と対処法のまとめ
今回は“不妊につながる月経血量が多い原因と対処法”についてお話ししましたが、月経血量が多いからといって妊娠・出産ができないわけではありません。
妊娠に至るために一番大切なのは”心身ともに健康“であることですので生活習慣を見直し、女性ホルモンのバランスを整えれば十分に妊娠・出産は可能です。
ですが稀に“女性ホルモンの分泌異常や子宮の病気”などによって月経血量が増えることがあるため心当たりがある方はまず婦人科や産科に相談してみましょう。
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