ミトコンドリアを活性化して、妊活に大切な卵子の質を改善する方法 - 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

三ツ川レディース漢方鍼灸院

漢方・鍼灸師が教える。不妊体質改善ブログ

2022年1月27日

ミトコンドリアを活性化して、妊活に大切な卵子の質を改善する方法

卵子の質とミトコンドリアには密接な関係があります。 妊娠に至るためには”質の良い卵子“が必須です。 質の良い卵子とは “細胞分裂を続けるエネルギーがある”ことと“染色体の異常がない”状態のことです。 そこで今注目されているのが”ミトコンドリア“です。  “不妊の要因”としても今非常にトピックになっており、ミトコンドリアを活性化させることで卵子の質が上がるといわれています。

今回は「ミトコンドリアを活性化させるためにはどうすればよいのか」そして「ミトコンドリアの活性化と卵子の質の関係」を紹介していきたいと思います。

ミトコンドリアを活性化させる方法

健康維持、生命維持に欠かせないミトコンドリア。
ミトコンドリアを活性化することで、妊娠しやすい体を作っていきましょう。

ミトコンドリアの天敵と言われる活性酵素を減らすことでミトコンドリアを活性化し、 アンチエイジング効果で若く妊娠しやすい体を保つことができます。
誰でもできるミトコンドリアを増やすための方法を3つ紹介します。

有酸素運動

有酸素運動は体にさまざまな良い影響を与えますが、 エネルギー消費によりそれを補うためにミトコンドリアが活性化します。
有酸素運動がアンチエイジングにも効果があることが知られており、その理由の一つとしてこのミトコンドリアの働きがあります。
有酸素運動で体を若く保って、妊娠しやすい体を作りましょう。

ミトコンドリアを活性化させる食材を積極的に摂取

体の老化を防ぐために効果的な食べ物を紹介します。 以下のものを取り入れて、ミトコンドリアを活性化しましょう

  • ”黒豆や黒ごま、黒きくらげ”の黒いもの
  • ”納豆、オクラ”など粘り気のあるもの
  • ”山芋”など酵素を多く含むもの
  • ”ビタミンB群” ※ミトコンドリアの”エネルギー産生を上昇

早寝早起き

早寝早起きをして朝日を浴びましょう。 朝日を浴びることでセロトニンが分泌され、それにより抗酸化作用を持つメラトニンが分泌されやすくなります。
ミトコンドリアの天敵である活性酵素を除去することができ、ミトコンドリアを活性化できます。

日常にちょっと取り入れて、妊娠しやすい体づくりをしてみましょう。

卵子の質を上げるミトコンドリアとは

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さて、ではミトコンドリアとは一体何でしょうか。 人間は約60兆個の細胞で形成されており、それら1つ1つの細胞に共存している異生物のことをいいます。

ミトコンドリアの働き重要なのは

の2つです。

ミトコンドリアは身体の約95%のエネルギーを産生

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ミトコンドリアは“身体の発電所”ともいわれており、生きていくために必要なエネルギーの“約95%”がミトコンドリアによって産生されています。 食事から分解された栄養素(糖・脂肪・タンパク質など)のエネルギー源と細胞に運ばれてくる酵素を反応させて、“ATP”といわれるエネルギーを産生します。 産生したATPを使って細胞内の様々な活動を行うことで”生命を維持“し、筋肉を動かしたり、脳を使って物事を考えたりすることができるのです。

そのため生きていくうえでミトコンドリアは必要不可欠なのです。

ミトコンドリアが健康維持に必要な活性酵素を産生

ミトコンドリアはエネルギーを産生する過程で酸素の0.1~2%は“活性酵素”に変化します。 活性酵素は”細胞を酸化させたり、正常な細胞を攻撃したり“悪者のイメージがありますが、”細菌やウイルスを撃退する“働きもあるため、 “健康の維持”には必要なものです。 そのため“最適な活性酵素の状態を保つ”ことが健康を維持するには必要です。

ミトコンドリアの機能が低下する主な原因

ミトコンドリアの機能が低下する原因は様々ですが、特に影響を受けやすいのは

  • 老化
  • ストレス、偏った食生活

です。

年齢とミトコンドリアの機能は比例する

ミトコンドリアの機能が低下する原因の1つ目は”老化”です。ミトコンドリアは”年齢とともに機能が低下”していきます。

ミトコンドリアを活性化して、妊活に大切な卵子の質を改善する方法 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース卵子には通常の体内細胞の“約100倍以上”にあたる10万個~20万個のミトコンドリアが存在しており、すべての臓器の中で一番ミトコンドリアが多いといわれています。 ミトコンドリアの産生するエネルギーによって“卵子の成熟、受精、胚発育、着床、胎児成長”することができます。老化によりミトコンドリアの機能が低下すると”エネルギーの産生”などができなくなるため卵子に影響を及ぼすと“排卵障害や着床障害”につながることがあります。 またミトコンドリアは独自のDNAを持っているため、“染色体異常”の原因になることもあります。 

ストレスや不摂生は体内に過剰の活性酵素を生み出し、老化を進行させる
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先ほど少しご紹介しましたが、ミトコンドリアはエネルギー産生のほか、”活性酵素の産生”もおこないます。本来私たちの身体は活性酵素がうまく働くように”抗酸化力(抗酸化物質)”とバランスを保つことで健康を維持しています。ですが、心身的ストレスなどが続くとミトコンドリアは通常よりも”過剰に活性酵素を産生”してしまいます。活性酵素は心身的ストレスのほかにも”喫煙、多量飲酒、激しい運動、食品添加物の摂り過ぎ”などでも増えるといわれており、”酸化ストレス”が体内に蓄積されると抗酸化力とのバランスが崩れてしまうため、”老化が進行”する原因になると考えられています。身体の老化が進行すると”卵子の老化も進行”し、ミトコンドリアの機能低下の原因になります。

日常生活でミトコンドリアを活性化させよう

ミトコンドリアは卵子同様に“加齢とともに減少”します。 卵子の数を増やすことはできませんが、ミトコンドリアは努力次第で増やすことが可能です。 ミトコンドリアを活性化させる方法は主に

の3つです。

身体がエネルギーを欲する状態をつくる

ミトコンドリアを活性化させるための方法は様々ですが、中でも重要なのが”身体がエネルギーを欲する状態をつくる”ということです。なぜならミトコンドリアは”エネルギーを消費したときに細胞がエネルギー不足を感じてミトコンドリアを増やすように指令を出す“からです。そのため、常に体内のエネルギーが十分な状態だとミトコンドリアは活性化されず、機能低下と数の減少が進行します。

エネルギ―が良くする状態とは具体的に

  • 腹7~8分目のカロリー摂取制限や16時間空腹状態をつくるプチ断食
  • 有酸素運動
  • 冬でも外に出て冷たい空気にあたる

などがあげられます。

腹7~8分目のカロリー摂取制限や16時間空腹状態をつくるプチ断食

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新しく元気なミトコンドリアが細胞内にあるほどエネルギーを得られ、身体は若々しく健康でいられます。 古くなったミトコンドリアは大量の活性酵素を発生させますが、“オートファジー”によって細胞が新しく生まれ変わり”活性酵素を減らす“ことができます。 ただしオートファジーにはある特徴があり、ミトコンドリアとは違い食事から得られる栄養素が十分にある状態ではあまり働きません。 オートファジーは身体や細胞が強いストレスなどを受けた時でも生き残れるように組み込まれたもののため、細胞が“飢餓状態になったときや低酸素状態”のときに力を発揮します。そのため”腹7~8分目や16時間の空腹状態“でオートファジーが活発化し、ミトコンドリアを新しく元気なものにします。 妊娠に必要な栄養素を取り入れることも大切ですが、“空腹状態を作る”こともとても大切なのです。

有酸素運動

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運動をすることでミトコンドリアが活性化するのは”エネルギーを消費したときに細胞がエネルギー不足を感じてミトコンドリアを増やすように指令を出す“からです。 カナダの研究者によると良く運動をする70歳代10人の平均の筋肉ミトコンドリアの活動量は22歳と同じという結果がでています。 ミトコンドリアを増やすということは身体の”アンチエイジング“にもつながり、卵子の質を上げることができます。 ミトコンドリアを増やすためにおすすめの運動は”やや強め“の有酸素運動です。 例えば3分間“ややきつい”感じる早歩きをした後、3分間ゆっくり歩くを繰り返す“インターバル速歩”など運動中に“心拍数が上がる程度の運動”がミトコンドリアを活性化させます。

冬でも外出て冷たい空気にあたる

外気などの冷たい空気にあたることで“身体は熱を発しようとエネルギーを消費”させます。 先ほど有酸素運動でもご紹介したようにエネルギーを消費することでミトコンドリアが増えます。 そのため冬などに寒いからといって暖かいところにいるのではなく、外に出て冷たい空気に触れることもミトコンドリアを活性化させるためには大切なことです。

ミトコンドリアを活性化させる食材を積極的に摂取する
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ミトコンドリアを活性化させるためには”身体のアンチエイジング”をする必要があります。東洋医学では身体の老化を防ぐためには”腎”の機能を高めることが重要だと考えられています。腎の機能を高めるには”黒豆や黒ごま、黒きくらげ”の黒いものや”納豆、オクラ”など粘り気のあるものもおすすめです。ミトコンドリアを活性化させるために一番おすすめなのは”山芋”です。山芋は”大根の約3倍もの酵素”が含まれています。”酵素”を積極的に取り入れることでミトコンドリアの活性化が期待できます。
またあわせて積極的に摂取していただきたいのが”ビタミンB群”です。ビタミンB群の中でも特に”ビタミンB2”はミトコンドリアの”エネルギー産生を上昇”すると考えられています。ですが、ビタミンB2だけを積極的に摂取するのではなく、B群全般的に摂取していただくことが重要です。

※今ミトコンドリアを活性化させるサプリメントなどがネットで気軽に入手できますが、先ほどお話ししたようにミトコンドリアは”身体がエネルギーを欲する状態”を作ることが必要です。そのため、サプリメントやビタミン剤などを取り入れるだけでは効果はあまり期待できません。サプリメントやビタミン剤はあくまでも”補助的なもの”ですので、摂り過ぎには注意しうまく取り入れましょう。
当院でおすすめしているサプリメントやサプリメントを服用する際の注意点などを詳しく解説した記事もございますのでぜひあわせてご覧ください。

【妊活】意外と知らない妊活中にサプリメントを服用する際に気をつけること”3つ”

【妊活】アンチエイジングでFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる効果が期待できるサプリメント

早寝早起きを心がけ、体内時計を整える

ミトコンドリアを活性化して、妊活に大切な卵子の質を改善する方法 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

ミトコンドリアを活性化させるためには”体内時計を整える”ことも大切です。朝日を浴びると”セロトニン”と呼ばれるホルモンが分泌されます。セロトニンは”メラトニン”というホルモンを分泌する材料になります。メラトニンにはミトコンドリアを減らす天敵である”活性酵素を除去する(抗酸化作用)”があり、”アンチエイジングホルモン”として妊活で注目を浴びています。そのため早寝早起きを心がけ、”質の良い睡眠”を摂ることがとても大切です。朝起きた際は”カーテンを開け、太陽の光を浴びる”ようにするとよりセロトニンの分泌を促す効果が期待できますので朝の習慣に取り入れてみてください。
そのほかメラトニンについて詳しく解説した記事がございますので、ぜひあわせてご覧ください。

卵巣機能のアンチエイジングでFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる生活習慣

ミトコンドリアを活性化して、妊活に大切な卵子の質を改善する方法のまとめ

今回はミトコンドリアの活性化と卵子の質の関係性についてご紹介いたしました。 ミトコンドリアは身体の“アンチエイジング”を行うだけでなく、”免疫力UP”にもつながります。 先ほどもご紹介したように身体を老化させる“活性酵素””ストレス“などでも増加するため、身体だけでなく”心のケア“もミトコンドリアを活性化させるためには必要です。 妊娠に至るために一番重要なのは”心身ともに健康“ですので、卵子の質を上げる方法としてぜひ取り入れてみてください。