2021年10月21日
【妊活】タンパク質を摂取して妊娠しやすい体質に
タンパク質とは“三大栄養素の一つ”で、複数のアミノ酸が組み合わさってできています。
人の身体にほとんどが“炭水化物、脂質、タンパク質”の3つの栄養素かで成り立っています。
そのなかでも身体全体の“約15~20%”はタンパク質によってできており、水分を除いた重量の“約半数”に匹敵します。
また、タンパク質は“人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている栄養素”です。
そこで今回は”タンパク質がなぜ妊活中に必要な栄養素なのか、どのような食べ物にタンパク質が多く含まれているのか”ご紹介していきたいと思います。
タンパク質を作っているアミノ酸って?
人の体に必要なアミノ酸は20種類あり、それらが結合してタンパク質は作られています。
人の体のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、“体内でつくることができず食べ物から摂取する必要がある”アミノ酸が9種類あり、それらを“必須アミノ酸”と呼びます。
それに対し、“体内でつくることができる”11種類を“非必須アミノ酸”として分類されています。
なぜ妊活中にタンパク質が必要なのか?
タンパク質は健康な身体を作るための材料であり、特に“筋肉”はタンパク質がないと作ることはできません。
筋肉は”熱“を作り出す働きがあるため、身体を温めて”血流を良くする“ためにも必要なものです。
身体全体が冷え、骨盤周りの血流が悪くなってしまうと“子宮や卵巣の機能低下”だけでなく妊娠に必要な様々な器官の機能低下にもつながってしまいます。
そのため妊活中の大敵である“冷え”改善に筋肉は必要なのです。
また “卵胞は細胞の一種”で、細胞はタンパク質でできています。“GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)”など“卵胞の成長を促すホルモン”もタンパク質でできているため“卵子の質”にも深く関わってきます。
さらにタンパク質はコレステロールになって、“ホルモンを生成”する働きもあります。
タンパク質が不足し、コレステロールが過剰に少なくなってしまうと“女性ホルモンの分泌が低下”してしまうことがあります。
なかでも重要なのが女性ホルモンの一つ“エストロゲン”の分泌です。
エストロゲンには“着床に向け子宮内膜を厚くする”働きがあります。
タンパク質の不足によりエストロゲンの分泌が低下してしまうと、着床に十分な子宮内膜がつくられなくなり“月経不順や着床障害”の原因になってしまうことがあります。
もちろん、コレステロールが増えすぎれば、動脈硬化などの原因にもなり良くありませんが、適度なコレステロールは妊娠するために欠かせません。
そのため妊活中のタンパク質はとても重要になってきます。
タンパク質のおすすめの摂り方
日本人の食事摂取基準(2020年版)で、成人女性のタンパク質の必要量は1日あたり“40g”、推奨量は“50g”とされています。タンパク質40~50gとは、鶏ささみなら4枚、牛ミンチなら200g、鮭なら3切れ、ししゃもなら8匹ほどといわれています。
1回の食事ではなかなか難しいため、“三食片手一盛を目安”としてタンパク質を摂っていただくことがおすすめです。
ですが、植物性のタンパク質(納豆や大豆、豆腐など)だけでは含まれているタンパク質の量が少ないのと必須アミノ酸が不足してしまうことがあります。
そのため“動物性のものも植物性のものもバランスよく摂る”ことがとても大切です。
植物性のタンパク質が含まれるものはカロリー控えめのことが多いため、万が一食べ過ぎてしまっても身体への悪影響はほとんどありません。
それに対して動物性のタンパク質が含まれるものは“脂質やコレステロールなどが多く含まれている”ことが多いため、カロリーを摂り過ぎてしまう恐れがあります。
ただし、動物性は植物性よりもアミノ酸スコアが高く体内への吸収率がよいので摂り過ぎに注意しながら上手に摂取しましょう。
タンパク質が含まれている食べ物
タンパク質には”植物性タンパク質”と”動物性タンパク質”の2種類あり、どちらか片方のタンパク質だけでなくバランスよく摂取することがポイントです。
それぞれどういった食べ物に多く含まれているかご紹介していきたいと思います。
穀類や豆類・海藻類などの「植物性タンパク質」
植物性タンパク質が含まれている食べ物は主に “穀類、豆類、海藻類”などがあげられます。
なかでも穀類なら“焼きふやオートミール、はと麦”、豆類なら“きな粉、油揚げ、納豆”などがおすすめです。
さらに海藻類では“焼きのりやあおさ、昆布、ひじき”などもタンパク質が含まれています。
肉類・魚類・卵類などの動「物性タンパク質」
動物性タンパク質が含まれている食べ物は主に”肉類、魚類、卵類“などがあげられます。
肉類の場合は“鶏ささみや鶏むね肉、豚モモ、豚ヒレ、豚レバー、牛モモ”などに動物性タンパク質が多く含まれています。
また、魚類では“かつお(かつおぶしなども)、いわし、煮干し、あじ”などにタンパク質が多く含まれています。
肉や魚類には“ヘム鉄”という妊娠するためにはとても大切な栄養素がタンパク質と一緒に含まれており、動物性タンパク質と”一緒に鉄分も摂取できる”ため植物性タンパク質を積極的に摂取するよりも吸収効率もよく、おすすめです。
ですが、上記でもご紹介したように動物性タンパク質は“脂質やコレステロールなどが多く含まれている”ことが多いため、肉類などを摂取する際はできるだけ“赤身肉”を摂取するようにしましょう。
タンパク質で妊娠しやすい体質にのまとめ
妊活中の身体にいいからといって、タンパク質だけを積極的に摂れば妊娠しやすい体質になるわけではありません。
タンパク質のほか、“鉄分や葉酸(ビタミンB群)”など妊活中には積極的に摂取していただきたい栄養素はたくさんあります。
いいものだけを取り入れるのではなく、“全体的にバランスよく栄養素を取り入れる”ことがとても大切です。
また、食生活だけでなく、睡眠や運動など“生活習慣の改善”もおこなうことが妊娠、出産への近道です。
ぜひ、”妊活中の体質改善の一つの方法”として積極的なタンパク質の摂取を取り入れてみてください。