2021年9月1日
【妊活】2人目不妊の鍼灸施術と漢方薬

2人目不妊のとは?
1人目は自然妊娠だったのに、2人目をなかなか授かることができない状態を“2人目不妊(続発性不妊症)”といいます。
一般的に不妊とは妊活を1年間続けた結果、赤ちゃんを授からなかった状態をいいますが、2人目不妊の場合はその期間がおよそ“半年間”と考えられています。
近年、晩婚化などの影響もあり不妊治療の中でも2人目不妊の相談が増加しています。
2人目不妊の主な原因
確定的な原因は分かっていませんが、一般的に2人目不妊の大きな原因は“加齢” によるものだと考えられています。
先ほど記述したように近年“晩婚化“により1人目を産む年齢が高くなっています。
1人目を30歳前半で出産し育児で2~3年過ごしていると、2人目を考えた際には30歳後半になってしまいます。
38歳を過ぎると卵子の老化が進みまた卵子とともに子宮膜の老化も進むため、内膜の血流悪くなったりすると受精しても着床がしづらくなってしまいます。
そのため加齢は2人目不妊の原因ではないかと考えられています。
そのほか“婦人科疾患(子宮筋腫など)の進行”や“仕事や1人目の育児などに追われ、タイミングがなかなかとれない”ことなども原因とされています。
また稀ではありますが1人目が帝王切開だった場合、“帝王切開瘢痕症候群(瘢痕化した傷から微量の出血を起こしたり、頸管粘液や血液が子宮に流入し着床しづらくなる)”や“癒着胎盤”なども器質的な原因としてあげられています。
東洋医学で考える2人目不妊
東洋医学で2人目不妊の原因は様々ですが”加齢やお産時の状況なども影響する”と考えられており、そのなかでも特に多い体質の傾向は
の3つです。
加齢により生殖機能が低下する「腎虚」
主に加齢による2人目不妊に多い体質は“腎虚”と考えられています。
東洋医学でいう五臓(肝、心、脾、肺、腎)の“腎”には生きるためのエネルギーや栄養の基本物質である“精”を貯蔵し、人の成長や発育・“生殖”を司り、これらは年齢とともに低下してしまいます。
2人目の場合は1人目の妊娠、出産の時よりも年齢を重ねているため、腎の機能の低下が進んでいることが多いです。
さらに腎の精や血は“出産時の出血”などにより失われることが多く、出産の直後は腎虚に陥ることは少なくありません。
一般的には産後は“約3ヵ月身体を休める”ことで腎の機能など回復すると考えられていますが“約1か月で仕事に復帰”したりすると回復しきれず、腎の機能は低下したままになってしまうことがあります。
腎は “生殖やホルモン”と深く関係しているので“卵子や子宮内膜の老化”が進んだり、女性ホルモンのバランスが崩れると“月経不順や排卵障害、着床に十分な子宮内膜がつくられなくなり着床しづらくなる”などから2人目不妊の原因になると考えられています。
ストレスなどにより気や血の巡りが悪くなる「肝鬱気滞」
“肝鬱気滞”による2人目不妊では、主に仕事や1人目の育児などによる“ストレス”が原因と考えられています。
東洋医学では“ストレスや緊張の継続”などは五臓の“肝”に影響がでるといわれています。
肝には“全身の気や血を巡らせる”働きがあるため、ストレスなどにより肝の機能が低下してしまうと全身の気や血の巡りが悪くなってしまいます。
すると骨盤内に十分な血液やエネルギーがいかなくなるため、卵子に栄養が届かなくなると卵子の質も下がってしまい、元気な卵子が育たなくなってしまうので2人目不妊の原因になることがあるとされています。
血が不足し流産や排卵障害の原因になる「血虚」
“血虚”とは人体の構成成分の一つで血液がなんらかの原因で不足している状態をいいます。
1人目の分娩の際に“多量出血”などにより血虚になることがあり、産後そのまま血を十分に補えないままでいると2人目不妊の原因になることがあると考えられています。
血虚の場合、血液が不足しているため子宮内に十分な血液や栄養が行き届かず月経周期が遅れたり、子宮内膜が薄くなることで”着床障害や流産”などの原因になることがあります。
さらに卵子がうまく育たなくなってしまうと“排卵障害”になることもあります。
2人目不妊の鍼灸と漢方薬
鍼灸では五臓六腑や気血水のバランスを全体的にみながら妊娠しにくい体質を“妊娠しやすい体質”へと改善していきます。
東洋医学では五臓六腑や気血水のいずれかが不足してしまうと全体的なバランスが崩れ、様々な症状が現れると考えられています。
例えばストレスによる“肝鬱気滞”が原因の2人目不妊では、ストレスの影響を最初に受ける“肝”の機能が低下すると関係の深い“腎”などの機能も低下することがあります。
すると生殖やホルモンに関係の深い腎の機能が低下するとホルモンバランスが崩れ、“月経不順や排卵障害”などが起こり2人目不妊につながることあると考えられています。
その場合は機能が低下した“肝と腎”のはたらきを正常化し、バランスをとってあげることで症状の改善をしていきます。
さらに漢方薬を併用していただくことでより効果的です。
腎虚の場合は“八味地黄丸や六味地黄丸”、肝鬱気滞の場合は“四逆散や加味逍遙散”、血虚には“四物湯や婦人宝”などが多く使われています。
漢方薬は体質にあったものを服用することで効果が期待できるものです。
もし体質に合っていない漢方薬を服用すると場合によっては症状が悪化してしまう恐れがあります。
自己判断は避け、漢方薬を服用の際は東洋医学の専門家をお尋ねください。
2人目不妊の養生法3つ
ストレスを解消し溜め込まない
ストレスを溜め込まないことはとても大切です。
1人目の慣れない育児などストレスの原因にはなってしまいますが、夜更かしをするなどの“不規則な生活”も身体にはストレスがかかってしまいます。
先ほど紹介したようにストレスは“肝”に影響をし、肝の機能が低下すると“肝鬱気滞”などになり2人目不妊の原因にもなってしまいます。
1人目の子どもを寝かしつけた後に自分の時間をつくり、夜更かしをする方が多くいらっしゃいますが、ストレスの原因になるので夜は子どもと一緒に自分も寝るようにしましょう。
自分の時間をつくる際は子どもより早起きをして、朝や子どもがお昼寝をしているときにしましょう。
そのほか趣味の時間を作って気分転換をしたり、適度な運動などをしてストレス軽減をしましょう。
食生活の見直しをする
“甘い物や油物(肉の脂身などの動物性脂質、バター、マーガリンを含む)、味の濃いもの、アルコール”などは肝臓に負担がかかってしまい、全身の気や血の巡りを悪くしてしまうことがあります。
また“冷たい食べ物や飲み物、果物、生野菜”は身体を冷やし、これらも血流を悪くしてしまうため摂り過ぎなどには注意し、バランスの良い食事を摂りましょう。
野菜を摂取する際は“焼く、蒸す”など工夫してから摂取するようにしましょう。
身体を温める食材を積極的に摂取し、全身の血流をよくしましょう。
身体を温め全身の血流を良くすることで子宮内の血流も向上され、良質の子宮内膜を形成します。
“しょうが、にんじん、かぼちゃ、ごぼう、大根、玉ねぎ、れんこん、じゃがいも、ほうじ茶、納豆、キムチ”などがおすすめです。
適度な運動をし血流を改善する
運動不足は血行不良になる原因にもなります。
ランニングや水泳などの有酸素運動はもちろんですが、自分の体力に合った運動をすることが大切です。
“30分早歩き”などからはじめてみましょう。
2人目不妊の鍼灸施術と漢方薬のまとめ
2人目不妊だからといって妊娠できないわけではありません。
鍼灸や漢方薬、養生法で“妊娠しやすい体質”に改善していくことで妊娠、出産は十分に可能です。
心当たりのある方は一度お近くの鍼灸院に尋ねてみてください。
当院は妊娠を望む方や妊婦さんなど女性のための鍼灸院です。
妊娠しやすい体質への改善などをお手伝いさせていただいています。
鍼灸施術とともに体質にあった漢方薬の処方もおこなっておりますので、ぜひ一度当院にご相談ください。
※大阪以外の遠方の方にも、お身体の状態や不妊治療の経過に合わせて、漢方薬や自宅できるお灸などをお伝えして対応していますので、気軽にメールや電話にてご相談ください。
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