【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 - 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

三ツ川レディース漢方鍼灸院

漢方・鍼灸師が教える。不妊体質改善ブログ

2021年8月18日

【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬

 
 
【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース
 
 

 

 

 

卵巣嚢腫とは?

 

【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

 

卵巣嚢腫とは卵巣に発生する液状の内容を納めた袋状の病変で、若年(20~30代)に多くみられる良性腫瘍です。

 

子宮内膜症により卵巣内にチョコレートのような古い血液が貯留する“卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)”や水や粘液が貯留する“嚢胞腺種”、皮膚や毛髪・歯など身体の一部の組織が貯留する“皮様嚢腫”などがあります。

 

 

 

卵巣嚢腫の主な原因

 

 

腫瘍のタイプにもよって原因は様々ですが、子宮内膜症によるチョコレート嚢胞以外の原因は明らかになっていません。

 

ストレスによるホルモンバランスの乱れなどが関係しているのではないかと考えられています。

 

チョコレート嚢胞の場合は子宮内膜症によって子宮の内側を覆っているはずの内膜組織が卵巣内で増殖と剥離を繰り返し溜まってしまうことで発症します。

 

またチョコレート嚢胞は女性ホルモンの一つ“エストロゲン”が子宮内膜の増殖の原因としても考えられています。

 

 

 

卵巣嚢腫の症状

 

 
【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

 

一般的には“無症状”なことが多いです。

 

卵巣は骨盤内に存在し外界とのつながりがないことや両側に存在するため、一方の卵巣に腫瘍が発生しても健常な方の卵巣がホルモン分泌などを継続することからホルモン異常などがみられにくいといわれています。

 

卵巣の嚢腫が高度に肥大してくると“月経時に通常以上の痛み”を感じたり、“月経時以外に腰痛や腹痛”を感じたり、嚢腫が膀胱を圧迫すると“頻尿”や腸を圧迫すると“便秘”などの症状もみられることがあります。

 

そのほか腫大した卵巣嚢腫の重みで隣接する卵管がねじれてしまう“茎捻転”や骨盤から腹部にかけて水分が溜まってくる“腹水貯留”、一部の卵巣腫瘍ではホルモンの異常分泌が生じることで“ホルモン異常症状”などが稀にあります。

 

 

 

卵巣嚢腫と不妊の関係性について

 
 

 

卵巣嚢腫は良性腫瘍のため、病変そのものが妊娠環境に悪影響を与えているわけではありませんが“チョコレート嚢胞”は不妊につながるといわれています。

 

まずチョコレート嚢胞は子宮内膜症になることで発症します。

 

増殖と剥離を繰り返した子宮内膜は体外に排出ができないため体内に溜まり、臓器との癒着を起こします。

 

それが卵管などに起こると卵管がくっつき閉塞してしまいます。

 

卵管は“精子が受精するために通る道”のため閉塞されてしまうと排卵が起こっても精子と卵子が出会うことができなくなったり、受精卵が子宮へと到達できなくなることが不妊の原因として考えられています。

 

 

 

卵巣嚢腫の西洋医学での治療法

 

 

治療法は卵巣嚢腫のタイプによって様々ですが、卵巣嚢腫が小さいうちは経過観察になることが多く、嚢腫が大きくなり症状が出てくると摘出手術(開腹手術や腹腔鏡手術など)を勧められることがあります。

 

チョコレート嚢胞の場合は“薬物療法や手術療法”を用いて根本的な治療ではなく症状を軽くしたり、今後の悪化を防いだりする治療がおこなわれます。

 

激しい月経時痛の症状があるときは“鎮痛剤のロキソニン”など処方されることがあります。

 

また嚢胞が小さく、リスクが高くなければ“低用量ピル”“エストロゲンの分泌を抑えるホルモン剤”などを投与し嚢胞の進行を防ぎます。

 

ですが薬物療法はホルモンをコントロールするため、妊娠を希望する方は難しくなります。

 

茎捻転の心配が強い場合や嚢胞の増大するペースが速い場合は手術療法を用いられることがあります。

 

 

 

東洋医学で考える卵巣嚢腫による不妊

 

 

東洋医学での卵巣嚢腫は“瘀血や痰湿”が原因ではないかと考えられています。

 

 

 

 

全身の血の巡りが悪くなり古い血が体内に溜まる「瘀血」

 

【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

 

瘀血とは血液の巡りが悪くなり“汚い血や古い血などが体内に溜まった状態”をいい、卵巣嚢腫の原因で一番多いとされています。

 

人間の身体は血液を循環させることで体に溜まった古い血液を体外に排出し、新しく綺麗な血液を体内に取り入れようとしますが、血流が悪くなり身体の血液循環がうまくいかなくなると体外に古い血液などが排出されず体内に溜まってしまいます。

 

瘀血は東洋医学でいう五臓(肝、心、脾、肺、腎)の”肝”が深く関わってきます。

 

肝には全身に“気や血を巡らせるはたらき”があり、“ストレスの影響を最初に受ける臓腑”といわれています。

 

そのためストレスなどにより肝のはたらきが低下してしまうと全身の気や血の巡りが悪くなってしまうため瘀血になりやすくなってしまうのです。

 

瘀血傾向の卵巣嚢腫では体外に排出されず、 “卵巣に古い血液などが溜まる”と嚢腫が形成されるのではないか考えられており、不妊の原因といわれている“チョコレート嚢胞”はこのよな原因が多いとされています。

 

 

水分代謝が悪く体内に余分な水分や脂肪が溜まっている「痰湿」

 

【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

 

痰湿とは水分代謝がうまくいかず、“体内に過剰に水分や脂肪が溜まっている”状態をいいます。

 

痰湿は“体液代謝の失調や低下、代謝産物の体内蓄積(食べ過ぎ、食事の不摂生)”などにより発症し、五臓では“脾”が関係していると考えられています。

 

脾には飲食物の消化・吸収し、身体の栄養分を生成して全身に運搬するはたらきがありますが“甘いものや脂っこいもの、お酒の飲みすぎ、水分の摂り過ぎ”などより脾の消化・吸収するはたらきが間に合わず、体内に停滞し痰湿が発症するといわれています。

 

痰湿になると身体が体内に溜まった余分な水分などを体外に排出しようと“腫れやできもの、しこり、腫瘤”などとしてあらわれることがあると考えられています。

 

卵巣嚢腫では卵巣に余分な水や粘液や貯留する“嚢胞線種”や症状として“腹水貯留”などがあらわれることがあります。

 

さらに全身の水分代謝が悪くなることで“子宮や卵巣の動きが低下”し、不妊の原因になることがあるといわれています。

 

 

 

卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸と漢方薬

 

【妊活】卵巣嚢腫による不妊の効果的な鍼灸施術と漢方薬 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

 

東洋医学では体内の“気血水”“五臓”のバランスを整えていくことで症状などを改善していきます。

 

卵巣嚢腫による不妊の鍼灸では“瘀血”“脾の機能”などに注目して施術していきます。

 

まず瘀血の場合は先ほどご紹介したように“肝”の機能が深く関わってきます。

肝の機能を正常化し、全身の気と血の巡りをよくしていくことで瘀血の改善をしていきます。

 

また場合によっては“刺絡(皮膚を切り、吸玉で滞った血液を体外に排出させる)”という直接的にお腹や肩周りなどの瘀血を取り除くことで血流改善をしていくこともあります。

 

痰湿の場合は“脾”の機能を正常化したり、体内に溜まっている水分などを取り除くツボなどを使って“全身の水分代謝を良くし、腫れものやしこり、腫瘤などができやすい体質を改善”していきます。

 

さらに漢方薬を服用していただくことでより効果が期待できます。

 

瘀血の場合は血の巡りを良くする“芎帰調血飲第一加減や桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯”など使うことが多く、痰湿の場合は水分代謝を良くする“桂枝茯苓丸、防風通聖散、五苓散”など使われることがあります。

 

漢方薬は体質にあったものを服用することで効果が期待できるものであり、体質に合わないものを服用した際、場合によっては症状を悪化させてしまうことがあります。

 

自己判断は避け、漢方薬を服用の際は東洋医学の専門家を尋ねましょう。

 

 

 

卵巣嚢腫による不妊の大切な養生法

 

卵巣嚢腫による不妊で大切な養生法は様々ですが、先ほどご紹介したように卵巣嚢腫の方に多い”瘀血と痰湿”体質別に養生法をご紹介していきます。

 
 
 

 

 

 

全身の血の巡りが悪くなる「瘀血傾向」がある方の場合

 

 

瘀血傾向にある場合は“ストレスをかけないことや身体を冷やさない、適度な運動”などをおこない血流の改善をすることが大切です。

 

先ほどご紹介したようにストレスは五臓の“肝”に影響します。

肝には“気や血を巡らせるはたらき”があるため、“不規則な生活”などでストレスをかけ続けると肝のはたらきは低下し、全身の血流が悪くなってしまいます。

 

“気分転換や趣味の時間をつくる”などをしてストレスをかけないことがとても大切です。

 

さらに身体を冷やすことも血流が悪くなる原因になります。

“冷たい飲み物や食べ物、果物”などは避け、身体を温める“ごぼうやにんじん、だいこん、かぼちゃ、黒豆、しょうが、にんにく、いわし(青魚)”を積極的に摂取しましょう。

 

ですが生野菜は身体を冷やしてしまうので、野菜を摂取する際は焼いたり、蒸したりしてから摂取するようにしましょう。

 

また運動不足も血流が悪くなる原因になるため、適度な運動をおこない全身の血流を良くすることも大切です。

 

ランニングなどの有酸素運動はもちろんですが“30分早歩き“など自分に合った運動からはじめましょう。

 

 

 

水分代謝が悪く余分な水分や脂肪が溜まっている「痰湿傾向」のある方の場合

 

 

痰湿傾向にある場合は“食生活の見直し”“適度な運動”が大切です。

 

痰湿傾向の方は体内に水分が溜まっている状態のため、“水分の摂り過ぎ”などには注意が必要です。

 

さらに “甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、果物、アルコール”など摂り過ぎは“脾”の消化・吸収などのはたらきが間に合わなくなり、体内に余分な水分や老廃物が溜まりやすくなってしまうので控えましょう。

 

体内の余分な水分や老廃物を排出し、痰湿を取り除くには“はとむぎやとうもろこし、冬瓜、豆類、鮎、はまぐり”などの食材がおすすめです。

 

また運動不足などで汗のかかない生活を続けると、体内に余分な水分や老廃物などが溜まる原因になります。

 

適度な運動により汗をかくことで水分代謝を良くし、体内に溜まった水分や老廃物などを出すようにしましょう。

 

 

 

 

最後に

 

卵巣嚢腫だからといって妊娠・出産ができないわけではありません。

 

ですが卵巣嚢腫で妊娠を望む方の場合、ホルモンをコントロールするため薬物療法は勧められていません。

 

嚢腫の大きさなどにもよりますが、鍼灸と漢方薬で体質改善をしていくことで嚢腫を少しでも小さくすることは可能ですので心当たりのある方はお近くの鍼灸院などを尋ねてみてください。

 

当院は不妊でお困りの方や妊婦さんなどの体質改善をお手伝いさせていただく女性のための鍼灸院です。

 

鍼灸施術とともに体質にあった漢方薬の処方おこなっておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

お問い合わせはこちら

 

 

※大阪以外の遠方の方にも、お身体の状態や不妊治療の経過に合わせて、漢方薬や自宅できるお灸などをお伝えして対応していますので、気軽にメールや電話にてご相談ください。

 

→遠方の方でご相談したいという方はこちらをご覧ください

 

 

 

当院ではブログだけでなくYouTubeでも妊活に役立つ情報を発信しておりますので是非ご覧ください。

 

関連動画

 

【妊活】子宮内膜症を指摘された方が妊娠率をあげるには – YouTube

 

 【不妊治療】子宮内膜症で見逃しやすい3つの危険な症状 – YouTube

 

【妊活】子宮の働きが滞る3つのサイン – YouTube