卵子の質を上げるには何時に寝ると効果的?妊活のための睡眠の理由と解説 - 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

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2019年12月26日

卵子の質を上げるには何時に寝ると効果的?妊活のための睡眠の理由と解説

妊活を成功させるなら何時に寝ると良いの?

卵子の質を上げるには何時に寝ると効果的?妊活のための睡眠の理由と解説 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

東洋医学では、「睡眠時間」より大切と考えられているのは、「何時に眠るか」ということです。

人間は、睡眠によってホルモンバランスを整え、神経・肉体の疲労を回復させます。とくに自律神経のバランスは、ぐっすりと十分に眠れる状況が大切。必要な睡眠時間に個人差はありますが、一般に夜12時前に就寝し、6〜8時間眠るのが妊活には理想的だといわれています。

12時前に寝るのと、12時過ぎに寝るのとでは、ホルモンバランスに対する影響が異なるためです。特に卵子の質を上げたい場合には、22時までに眠りにつくことが大切です。

なぜなら、22時までに眠ることで、アンチエイジングに関わる「腎」をしっかり養うことができるからです。東洋医学で「腎」は、成長、老化、生殖に関わると考えられています。ですから、この「腎」を養うことが卵子の老化を防ぎ、アンチエイジングするにはとても大切な要素になるのです。

妊娠と睡眠時間の考え方

東洋医学には「陰・陽」という考え方があります。

身体や自然界のすべてを2つの要素に分けて捉えた概念で、相反する性質の2つが互いに協力することで均衡を保とうとする考え方です。自然界では「夜は陰の時間」で「昼は陽の時間」になります。
この陰陽の自然のリズムに従って、明るいうちは活動し、暗くなるにつれて活動を控えて睡眠をとるということが、陰陽のバランスをとる上で大切なリズムになります。

つまり、早い時間に睡眠をとることが腎を養いアンチエイジングの効果につながるのです。また睡眠障害がある方も妊娠しにくくなっていると報告されているので、眠りが浅い方や、なかなか寝付けない方は寝る前の生活リズムを見直す必要がありそうです。

【妻編】妊活のために意識したい睡眠ポイント

身体や脳を覚醒させる行動を控えることで、質の良い睡眠をとることにつながります。寝る前にすべきこと、注意したい行動を紹介します。

朝日を浴びる

朝日を浴びるとセロトニンが分泌され、夜にはメラトニンに変化します。朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光をしっかり浴びましょう。たとえ曇っていても太陽光は降り注いでいるので、毎日の習慣にすることをおすすめします。

就寝前にスマホやパソコンを見ない

スマホやパソコンなどの電子機器が放つブルーライトは太陽の光に近い性質のため、脳が時間を誤認識して、覚醒してしまうことがあります。

カフェイン・アルコールを控える

緑茶やコーヒーにはカフェインが含まれているだけではなく、気持ちを落ち着かせる効果も期待できますが、飲むタイミングに注意しなければなりません。眠る時に必要な副交感神経の働きを鈍くするカフェインや、アルコールを分解するためにアセトアルデヒドが発生するアルコール類を飲むことは控えましょう。

鎮静作用のある香りを焚く

ディフューザーでアロマを焚くのもいいですし、アロマオイルをティッシュに1、2滴しみこませ、枕元に置いておくだけでもOK。カモミールやラベンダーの香りは気持ちをリラックスさせて、睡眠の質を高める効果が期待できます。ストレスを和らげ前向きな気持ちに導くオレンジ・スイートもおすすめですよ。自分にとって心地よい香りを使うとより効果が高まりますので、お気に入りの香りを探しましょう。

【夫婦編】妊活を成功させるために睡眠で気を付けたいポイント

次は、妊活を成功させるために睡眠で気を付けたいポイントを3つ紹介します。

①ご夫婦でよく話し合う

ご夫婦の場合、就寝する時はお一人ではありませんから、22時までの就寝を優先できるように、ご主人にも協力してもらいましょう。
そのためによく話し合ってください。

② 早く寝るというより早く起きる

22時までに就寝しようとしても、なかなか寝付けないという方は、まずは起きる時間を5時半から6時半に決めて、必ずその時間に起きるようにしましょう。
起きた時間から15時間後にメラトニンが増えはじめ眠たくなってきます。 つまり、6時に起床したとすると、15時間後の21時頃から眠たくなってきますので22時に寝付きやすくなるのです。

③2週間から1か月ほど不調になることもあるので注意

私も経験したのですが、今までより早く就寝すると、頭痛がしたり、体が重かったり、しっかり睡眠をとっているにも関わらず眠たくて起きることが出来ないなど、かえって不調のような症状がでることがあります。
これはまだ体が慣れていないので起こるのではないかと考えています。
2週間から1か月でそのような症状を感じなくなりますので、自分には合わないと諦めずに続けてみてください。

④ ストレスになるようなら無理に実践しない

22時までに就寝することを優先するあまり、ご主人との関係がギクシャクしたり、そのことがストレスになるようではかえって妊娠しにくくなります。妊娠するためにやっていることなのに、逆に妊娠しにくくなっているようでは本末転倒ですよね。 当院でもどうしてもストレスになるようであれば、「無理に実践しなくていいですよ」とお伝えしています。

妊活を成功させた実体験を紹介

ここからは、実際に当院に通いながら妊活を成功させた実体験を紹介します。これから睡眠時間を改善して妊活をしたい方は、ぜひ参考にしてください。

38歳Dさんのケース

体外受精で採卵しても受精卵が育たずに凍結保存できない。

2018年10月ショート法にて採卵し15個採れたが1個しか凍結保存できなかった。
問診で生活習慣をお聞きすると、8時間の睡眠は確保しているが、毎日24時頃に就寝しているとのことでした。

そこで生活習慣の改善として、22時までの就寝をおすすめしたのですが、なかなか実践することができないとのこと。
というのは、ご主人の帰りが21時半と遅く、そこから晩御飯、お風呂に入っていると、どうしても就寝が24時頃になってしまうというのです。
22時までの就寝の重要性を再度お伝えしたところ、ご主人と相談され、遅く帰宅される時は、夕食などの準備はしておいて、ご主人より先に就寝するように工夫されました。

その頃からお通じが良くなったり、朝起きた時の疲れも感じにくくなり、明らかに体調も良くなられました。
脈をみても潤いのある良い脈になっているのを感じましたので、採卵をしていただくことになり、その4か月後に採卵して見事に14個採れ、5個を胚盤胞で凍結保存することができました。
そして1回目の移植で見事に陽性反応が出て、現在28週になられました。

早くの睡眠を心がけていただいたことで、卵子の質が上がるのを実感できたケースでした。

42歳Aさんのケース

自然周期での採卵を続けているが、採卵しても空胞や採れても育たなかったり、FSH値も上がり採卵できないことも。

ドクターにもどうすることもできないと言われ、当院に来院されました。Aさんは就寝が24時前後でしたので、早く就寝することの重要性をお伝えしました。元々、ご主人も帰宅がそんなに遅くなく、夕食後に飲酒しながらまったり過ごす習慣だったそうです。

潤いのあるご夫婦の習慣は良いと思うのですが、年齢のこともあり睡眠を優先してもらうことで、ご主人ともに納得していただけました。さっそく、22時までに就寝することを実践され、3か月後の採卵では1年振りに胚盤胞で凍結保存ができ、大変喜んでいただきました。22時までの就寝に改善することで、卵巣の疲れもとれ、卵子の質が上がるのを感じたケースでした。

自然周期での採卵といっても全く薬を使わないわけではありませんので、漫然と採卵を続けていると、卵巣が疲れてきて、良い卵子が採れなくなってくるようです。22時までの就寝に改善することで、卵巣の疲れもとれ、卵子の質が上がるのを感じたケースでした。

まとめ

卵子の質を上げるには何時に寝ると効果的?妊活のための睡眠の理由と解説 | 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

睡眠時間を確保する生活習慣を身に付けると妊娠力が高まります。
かといって無理は禁物です。早く寝るためとはいえ、妊活に対する温度差からギスギスした雰囲気になってしまっては本末転倒です。ご夫婦でしっかり話し合って無理のない形ですすめてくださいね。