高いFSH(卵胞刺激ホルモン)を下げる方法 - 大阪の不妊漢方鍼灸院三ツ川レディース

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2022年1月18日

高いFSH(卵胞刺激ホルモン)を下げる方法

最近、FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値が高いため、なかなか妊娠に至ることができないと悩んでいる方が増えているように感じられます。

・体外受精において、卵胞の育ちが悪く採卵に至らない。
・採卵できても受精しなかったり育たなかったり。
・FSHの数値が高く卵胞が育たずにリセットを繰り返す。

実際、当院にいらしている患者さんにも「FSHの数値が高く、体外受精がうまくいかない」など悩んでいる方は多く、「鍼灸でFSHの数値を改善できないでしょうか?」といった相談を多く受けます。

「どうすればFSHの数値を下げることができるのか?」

今回は高いFSHの数値を下げるために何ができて、何が効果的なのか
漢方・鍼灸などの治療、そして普段の生活の中でのストレスや運動、食事などでできるFSHの数値を下げる方法を、東洋医学の見地も含めて解説したいと思います。

FSHは“卵胞刺激ホルモン”と言われるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の一つで月経後から排卵にかけて多く分泌されるホルモンです。
卵巣機能が低下していると排卵や月経に必要な女性ホルモンが十分に分泌されなくなるため、分泌を促そうとFSHがたくさん出てしまい数値が上がります。
そのため、FSHを一つの指標として、FSHの数値を下げる=卵巣機能の向上を目指していきます。
FSHは日々の生活の中の食事、睡眠、運動などの”生活習慣“でも改善することができます。

FSHについての詳しい説明は以下の記事でさせていただいていますので参考にしてください。
FSH(卵胞刺激ホルモン)とは。FSHと卵巣機能、妊娠の関係。

 

高FSHを下げるには?「鍼灸」と「漢方薬」を組み合わせた治療が効果的!

東洋医学で高FSHの数値を下げるには、骨盤内の深いところの血流を良くすることです。
この骨盤内の深いところの血流は、当院独自の「鍼灸」と「漢方薬」を組み合わせた治療法で、より効果的に血流を改善していきます。
「鍼灸」で身体の外から刺激し、肝、心、脾、肺、腎のバランスを整え、「漢方薬」で身体の中から、気、血、水のめぐりを良くするのです。

 

鍼灸で高FSHを下げるには?

鍼灸治療では、本治法という生命力を強化する治療がとても大切になります。
その上で、衝脉という奇経の流れを中心に、任脉、帯脉、陰蹻脉、足厥陰脉といった、奇経も合わせて治療を組み立てます。
さらに標治法(対処療法)として、瘀血(おけつ:血の流れが滞った状態)を取り除く治療をしていきます。
瘀血はお灸や刺絡といった治療法を使うと効果的に改善することができます。

 

漢方薬で高FSHを改善するには?

漢方薬では、活血剤や駆瘀血剤を使って骨盤内の血流を良くします。
FSHを下げるために必要な漢方薬としては、

 

  • 桂枝茯苓丸
    「瘀血」を改善する代表薬です。のぼせや動悸のある人に用います。
  • 桃核承気湯
    特に便秘がきつい人の「瘀血」を改善します。
  • 芎帰調血飲
    気滞や瘀血を改善する便利な漢方薬です。

 

があります。
こういった漢方薬を鍼灸と併用して服用することで、身体の中からも血のめぐりを良くして卵巣にしっかり血(栄養素)を送ります。
こうすることで、骨盤内の深いところの血流が良くなり、しっかり血(栄養分)が卵巣に届き、卵巣の働きが改善されていきます。
このような治療をおこなうと、個人差はありますが2~3か月でお腹の堅さが取れてきます。
そして、ツヤが出てふっくらとし、全体にバランスがとれ、ふかしたての饅頭のようになります。
これが骨盤の深いところの血流が良くなった状態です。
骨盤の深いところの血流が良くなれば、卵巣にたくさんの栄養が届きやすくなり、卵巣の疲れをとり機能を回復してくれます。
そうすることで、FSHをたくさん放出しなくても、卵巣が働いてくれるようになりますし、卵子の質も改善されるのです。

 

生活習慣によってFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる方法

身体のアンチエイジングをおこなうためには睡眠や運動などの“生活習慣”もとても大切です。
睡眠中に分泌が促される“メラトニン”や運動することで活性化させる”ミトコンドリア“には老化の原因となる活性酵素を除去する”抗酸化作用“があります。
夜更かしなどによる睡眠不足や運動不足は“卵巣機能の老化が進行”し、FSHの数値が上がる原因になってしまいます。
またミトコンドリアは”卵子の成熟、受精、胚発育、着床“などに関与するため、卵巣機能ととても深い関係にあります。
ミトコンドリアは年齢とともに機能が低下していくため数が減少し、新陳代謝が低下すると卵巣機能の老化も進行します。
そのため食事だけでなく、睡眠や運動などの生活習慣を改善することもFSHの数値を下げるためには必要です。
そのほかの詳しい内容は以下の記事をご覧ください。

卵巣機能のアンチエイジングでFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる生活習慣

 

FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる食べ物

東洋医学でFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値が上がる原因として考えられているのは

・腎の働きが失調し、生殖機能が低下する“腎虚”タイプ
・過度なストレスなどにより自律神経が乱れている“肝気鬱結”タイプ

の体質傾向がある方に多いと考えられています。
そのため腎虚傾向の方は”腎機能を補う食べ物“を肝気鬱結傾向の方は”全身の気や血を巡らせる食べ物”を積極的に摂取することでFSHの数値を下げる効果が期待できます。
詳しい体質別の食べ物などは以下の記事をご覧ください。

卵子の老化に関わる「腎」を補う食材
卵子の老化に関わる「腎」の精を養う食材
【妊活】卵巣機能を高めFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる食べ物を紹介!

またFSHの数値を下げる効果が期待できるサプリメントなどもご紹介しておりますのでぜひお試しください。

アンチエイジングでFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を下げる効果が期待できるサプリメント

※複数のサプリメントを併用する際は栄養素の摂取量など注意が必要ですので、以下の記事をご覧になったうえで自分にあったサプリメントを選びましょう。

【妊活】意外と知らない妊活中にサプリメントを服用する際に気をつけること”3つ”

 

ストレスによって上がってしまったFSHを下げる方法

また、ストレスがFSHに影響することが分かっています。
東洋医学では、「肝」に何らかの変動があると診ます。
また、「心」や「腎」にも影響してきますので、不安感や動悸、眠れないといった症状が出てきた場合は注意が必要です。
お腹を診ますと、季肋部からお腹の左側が面をなしてパンパンに張っています。
こういったお腹が強いストレスを感じている証拠です。
鍼灸ではこの「肝」「心」「腎」の変動を良く診て治療を施します。
また、足厥陰脉もしくは陽維脉の鍼灸治療でスッとお腹が緩んできますので、ここをしっかり治療していきます。
漢方薬では、「抑肝散」などの「肝」を鎮めるものを中心に処方を組み立てることで改善されます。
このようにして、東洋医学では、FSHの数値を下げることができます。

 

FSHの数値が高く採卵で良い結果がでないという方は、高FSHを下げる治療方法があります。
まだ諦めずに当院にご相談ください。

【症例】FSHが52と高値でも妊娠された方