2016年7月23日
「不妊」には「こころ」と「からだ」に目を向ける
WHO(世界保健機関)では「健康」を
「完全な身体的、精神的及び社会的 福祉の状態であり、
単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義しています。
「こころ」と「からだ」が健康で本当に健康と言えるのです。
東洋医学には「陰陽(いんよう)」という概念があります。
「陰陽」とは、中国の思想に端を発し、
森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物を、さまざまな観点から、
「陰」と「陽」の二つのカテゴリに分類する思想です。
「陰」は受動的な性質で、「陽」は能動的な性質に分類する。
具体的には、
「陰」が闇・暗・柔・水・冬・夜・植物・女、
「陽」が光・明・剛・火・夏・昼・動物・男などに分けられます。
これらは相反しつつも、
一方がなければもう一方も存在し得ないものです。
森羅万象、宇宙のありとあらゆる物は、
相反する陰と陽の二気によって消長盛衰し、
陰と陽の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれるのです。
そして、人の身体においては、
陰は「からだ」、陽は「こころ」と言うこともできます。
「視えるもの」と「視えないもの」と言ってもいいかもしれません。
また、「血」と「気」と言ったりもします。
この「陰陽」の調和がとれて一人の人間として健康なんですね。
当院に、「不妊」で来院されている方の中でも、
「こころ」の不調も訴えられる方は少なくありません。
ですから「不妊症」には、
ただ単に「からだ」の不調だけ改善するのではなく、
「こころ」の不調にも目を向け手当てしないと、
妊娠力は上がりません。
私たち古典鍼灸を学ぶ鍼灸師は、
東洋医学的な概念で経絡のバランスを整えることで、
「こころ」と「からだ」のバランスを整えます。
ですから、古典的鍼灸は「不妊」という状態を改善するのには、
最善の方法であると思うのです。